第21話:営業業績向上と目標管理活動

営業業績向上の目標管理活動は、管理者が、自ら自組織の将来のあるべき姿としてまとめあげた、組織構想をつくることがまず、重要な焦点と考えます。

営業業績向上のことで、経営者や経営幹部に方とお会いしますと、よく言われるのが管理者の育成の必要性であり、その中に目標管理活動があります。

前回は、営業業績向上の目標管理活動は、管理者が現状から目標を達成するために、その達成の道筋が常に組織だって明らかになっていくことをマネジメントすることが、重要な焦点と考えます、と述べましたが、今回も管理者の目標管理活動について述べてみます。

職場の中でメンバーが仕事上の決定を行う場合、そこには必ず判断を下す何らかの前提が存在します。
こうした判断や行動の選択のための基になるものを意思決定前提といい、価値前提と事実前提があります。職場のメンバーにとっては、最も重要な意思決定の前提です。

しかし、多くの営業組織では、明確な意思決定の前提がないまま目標管理活動が行われているのが現実といえます。

多く行われている目標管理活動は、数値目標とそれを達成するための営業施策での活動です。

かって、ある企業さんの新人営業管理者に、自組織の営業活動の目的は何ですかと質問しましたら、それは「売上を上げることです」と答えられました。その管理者の組織としての営業施策を見せていただきましたら、具体的な活動を羅列したものでした。
この新人営業管理者の目標管理活動は、自分たちの目的を取り違えている、目標達成の方針がない活動、即ち、意思決定前提の価値前提と事実前提が明確にされていない活動です。

今日のような営業活動の環境下では、このような目標管理活動では、営業業績の向上は、難しいと考えます。管理者もメンバーも一生懸命やられてはいますが、これではもてる資源の無駄使いをしているといえます。

このような状態の目標管理活動は、管理者が自組織の目標を達成する目標管理活動のしくみがつくられていない状態の活動といえます。

管理者が自組織の目標を達成する目標管理活動は、まず、自組織の構想づくりが必要です。

組織構想とは、上層部の戦略方針と職場メンバーのアイディアや期待を管理者自身が環境への見通しづけ・判断・意思にもとづいて、自組織のあるべき将来像とそこに至るシナリオをまとめたもので職場メンバーのすべての意思決定前提として機能します。

組織構想が果たす役割は、
・職場のすべてのメンバーにとっての意思決定の前提、
・将来向けて職場のすべての活動を統合する戦略ビジョン、
・異質で多様な価値観を持ったメンバーをまとめる求心力、
・職場の将来の業績向上と人的資源開発課題を連結するカナメ、
・管理者のリーダーシップ行動の代替物などがあります。

管理者が、自組織の目標達成の目標管理活動を行うには、管理者自ら自組織の将来のあるべき姿としてまとめあげた、自組織の組織構想をつくることが、まず、必要です。

私どもの営業課長・所長の目標管理活動は、管理者が自ら自組織の組織構想をつくりメンバーとその構想の実現に取り組む活動です。

御社の営業管理者の目標管理活動は、管理者が自ら自組織の組織構想をつくられてなされていますか?
目標管理活動のしくみづくりはいかがですか?
つくられたしくみは、うまく機能されていますか?

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