第20話:営業業績向上と目標管理活動

営業業績向上の目標管理活動は、管理者が現状から目標を達成するために、その達成の道筋が常に組織だって明らかになっていくことをマネジメントすることが、重要な焦点と考えます。

営業業績向上の重要な1つの柱である目標管理活動は、いずれの企業さんでも行われていますが、その状況は様々です。
 今回は、営業業績向上の1つの柱である目標管理活動について述べてみます。

かってお世話になった販売会社の目標管理活動は、事業年度の始めに社員全員の全体会議が行われ、そこで代表者から新事業年度の目標・方針の発表がなされ、続いて各組織(部門・課)の責任者の目標・方針の発表があり、それらについての質疑応答がなされ、終了後に社員全員の懇親会があり、新事業年度の目標管理活動がスタートされていました。

全体会議用の資料も作られ、全員に配布されての会議で、目標管理活動のキックオフとしては、問題ない販売会社に見えました。
 しかし、よく聞いてみますと、それぞれが発表された年度の目標・方針は、数値目標は共働目標になっていましたが、方針はそれぞれが考えてつくられたものであり、思い思いのものとのことでした。
 したがって、全体会議の翌日からの目標管理活動は、組織ごとに思い思いであり、組織内のメンバーも思い思いの活動状況でした。

これでは、それぞれが一生懸命準備されて作られ、1冊の資料にまとめられた目標・方針もある意味全体会議の発表用のものといえるものでした。

このような目標管理活動は、営業が動けば業績が上がる時代には、社員の「問題意識づけ」「動機づけ」になりますので、それはそれでよいといえますが、今日のような営業活動の質が問われる時代には問題があるといえる目標管理活動です。

この販売会社の業績は、お世話になった当時は販売会社の中でよいとはいえず、また、せっかくの「問題意識づけ」「動機づけ」も長続きはせず、期の途中からは元に戻ってしまう目標管理活動でした。

目標管理活動は、経営革新のために「組織だった仕事の進め方」を確立することに特徴があります。
 そして、現状から目標を達成するために、常にその達成への道筋(業務の特定化と業務の遂行プロセス)が明らかになっていくことが必要となります。

しかし、目標達成への道筋のしくみが組織だってつくられ、その有効機能化に取り組まれ、目標達成への道筋が常に明らかになっていく営業組織は案外少ないのが現実です。

先の販売会社も担当当初、中堅社員が「うちはあるのは数値目標だけです」と言はれていました。社員は、数値目標だけ与えられ、目標達成への方策がないと受け止めており、管理者は、全体会議で方策は発表したつもりという目標管理活動で、管理者のやってはいけない管理の一つである「はづ、つもり管理」であったということです。

管理者が自組織の目標達成のために、方策をメンバーと共有しないことにより、メンバーは自分のやりやすい方法を選んで活動し、組織の目標達成も思うにままならない目標管理活動であったということです。

各組織の目標管理活動は、自組織の目標達成のために目標達成の道筋が、常に組織だって明らかになっていくマネジメントが必要です。

私どもの営業課長・所長の目標管理活動は、組織目標達成のために、現状からの目標達成への道筋を常に組織だって明らかにしていく、マネジメントのしくみづくりとその運用、機能化です。

御社の営業管理者の目標管理活動は、目標達成への道筋が、常に組織だって明らかになっていくマネジメントになっていますか?またそのしくみづくりと有効機能化は、いかがでしょうか?

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