第19話:営業業績向上と人材育成(能力開発)

営業業績向上の人材育成(能力開発)は、管理者自身の職場マネジメント構想のなかに、しっかりした育成の仕組みがつくり込まれていることが重要な焦点と考えます。

前回、営業業績向上の人材育成(能力開発)は、管理者が人材が育つ職場環境づくりとOJTの考え方・方法論をつくりあげていくことが重要な焦点と考えます、と述べましたが、今回も人材育成(能力開発)について述べてみます。

いずれの企業さんも上層部で組織編成をし、編成された組織の組織づくり・人づくりは現場の管理者が行っています。
上層部は、当然、各組織の組織づくり・人づくりをミドル・マネジャーに期待します。

しかしながら、「営業業績を上げるのに忙しくて、メンバーの育成などやっているヒマがない」「育成活動は、日常的な管理とは別枠で行う付加的な仕事だ」と考えている営業管理者は、案外少なくありません。
 その意味で職場における効果的な人材育成(能力開発)の第一歩は、こうした管理者自身の意識改革にあると言えます。

確かに、現場のミドル・マネジャーは、業績を上げるために職場外の活動が多くなっており、職場内活動が少なくなっています。

しかし、すでに述べましたが、ミドル・マネジャーが自職場の目標を確実に達成していくためには、メンバーの能力を開発し、営業活動の質を最大限に高めることにより、限りある物的資源を有効活用することにより可能となります。
 言い換えれば、ミドル・マネジャーの自職場の目標達成は、常に職場とメンバーの能力に依存しその向上を前提にしているということです。

そこで、ミドル・マネジャーの人材育成(能力開発)の基本的課題を2点あげてみます。

ひとつは、多忙な管理者のマネジメント活動の克服に「システムズアプローチ」です。ミドル・マネジャーに求められるマネジメントパラダイムの転換の「個別対応」から「システムズアプローチ」です。

特に、営業管理者のマネジメントは、体面的な直接接触志向が強いと言えます。
必要以上に体面コミュニケーションに依存する管理行動は時間も要しますし、ミドル・マネジャーだけでなく部下をも疲弊させる一因となります。
 ミドル・マネジャーは、自らの行動だけに頼らず「システムによって仕事が進められていくような体制を築くことにより、マネジメント活動の効率化」を図るべきです。

今一つは、営業業績向上課題の達成と人材育成(能力開発)の統合です。
それは、職場のトータル的な管理活動のなかに人材育成(能力開発)活動が組み込まれ統合されることであり、ミドル・マネジャー自身の将来への見通しに基づく「職場マネジメント構想」のなかで、業績向上課題と人材育成(能力開発)が統合され管理されることです。

職場メンバーの学習や成長にとって最も重要な環境は職場です。仕事という貴重な教材を通して、さまざまな体験を持ち成長していく職場のなかにこそ、しっかりした育成の仕組みが必要です。
 職場集団のなかに育成の仕組みがしっかりつくり込まれていない職場では、人材開発(能力開発)について高い成果を上げることは期待できません。

これらの管理者行動は、職場全体に働きかけるシステム志向のマネジメントです。

私どもの営業課長・所長の管理は、職場全体に働きかけるシステム志向マネジメントの仕組みづくりとその運用、機能化です。

御社の人材育成(能力開発)は、営業管理者の職場マネジメント構想のなかに、しっかりしたしくみがつくり込まれていますか?
 つくられた仕組みの有効機能化はうまくいっているでしょうか?

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