第96話:営業業績向上と個人目標の設定

営業業績向上の個人目標の設定は、原則として本人の主体性の下に設定させることと管理者は部下の個人目標設定の適切な支援をすること、部下に良い目標を設定させるための良い目標の条件、目標の設定レベルなどが重要な焦点と考えます。

職場目標を達成するためには、これを部下一人ひとりの目標に、ブレークダウンする必要があります。

今回は、営業業績の向上と個人目標の設定について述べてみます。
 
 1)個人目標設定のあり方
(1) 個人目標は原則として本人の主体性の下に設定させる
職場目標を部下一人ひとりの個人目標へ、ブレークダウンする際の原則は、部下本人の主体性の下に、目標を設定させることです。
なぜなら、上から言われたことや決められたことに従うだけであれば、部下は動機づけられないし、そのような目標設定は、いわゆる押しつけとなってしまうからです。
上位からの目標を単に細分化して部下に与えているとすれば、それはノルマとなんら変わらないのです。
目標というものは、上からの押し付けではなく、それを達成しようとする本人が立てた方がやる気が生まれます。
それに、目標を自ら決めさせることで、部下に目標達成への責任感を持たせることができます。
また、そのことによって、部下は自分が組織目標や職場目標の達成に、貢献しているいう満足感も得られるはずです。
(2) 管理者には部下の個人目標設定の適切な支援が求められる
しかし個人目標の設定を部下の主体性だけに任せてしまうと、的外れな目標を立てる人、低い達成水準の目標を立てる人がでてくることがあります。あるいは、同じ職場の中で同じような目標を立てる人がでてきたりします。
このような状態では、職場目標の達成は難しいことは言うまでもありません。
個人目標も職場目標と同様に、独立して存在するものではなく、上位目標と整合性を持ったものでなくてはなりません。
個人目標もそれが達成されることによって、職場目標が達成できるように連鎖させる必要があるのです。
そこで、管理者には部下の主体性を尊重する一方で、部下一人ひとりの目標が、職場全体の目標達成につながるよう、部下の個人目標の設定を、適切に支援することが求められます。

2)部下に良い目標を設定させるための基本知識
(1) よい目標の条件
①テーマが絞られている
②組織の成果に結びついている
③努力すれば達成できるレベル
④達成基準が明確になっている
⑤達成手段がよく考えられている
(2) 目標の設定レベル
部下の目標設定において、管理者として最も悩ましい問題は、目標達成基準のレベルについてではないでしょうか。
個人目標の設定にあたっては、部下がある程度背伸びしなければ達成できない、部下の能力よりも少し高いレベルの目標を、設定させるのが望ましいといえます。
このように、設定された目標に対しては、個人のやる気で成果はよりいっそう高くなることが知られています。
人はあまり低い目標でも、あまり高すぎる目標でもやる気は高まらない。がんばれば何とかなりそうなレベルの目標が、一番何とかしたいという気になるのではないでしょうか。
部下の目標達成意欲は、目標の難易度と部下の能力のバランスによって変わってきます。管理者としては、両者のバランスに注意して、適切なレベルの目標を設定したいものです。

御社の営業職場の個人目標の設定はいかがですか。
そのしくみづくりと運用・機能化はいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがといございました。

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