第97話:営業業績向上と目標設定面接

営業業績向上の目標設定面接は、部下に適切な目標を設定させることと部下との合意形成を図ることです。合意形成のポイントは、部下の想いをしっかり受け止める、積極的に質問・指摘をする、お互いが納得できるよう調整を行うなどが重要な焦点と考えます。

職場目標を達成するためには、これを部下一人ひとりの目標に、ブレークダウンする必要があります。

今回は、営業業績の向上と目標設定面接について述べてみます。
 
 1) 目標設定面接の意義
目標設定面接の意義は、部下に適切な目標を設定させることと部下との合意形成をしっかり図ることです。個人目標の設定では、一定期間に達成すべき目標について、部下と管理者双方の意見を調整するために、目標設定面接を行うことが望ましい。目標設定面接は、意見の認識のズレや調整にとどまらず互いの知恵を出し合い、よい目標をつくり上げていく姿勢が重要です。
   
 2)合意形成のポイント
(1)部下の想いをしっかり受け止める
面接では、まず設定した目標について部下から説明させ、管理者はその説明にじっくり耳を傾けます。このとき重要なことは、目標テーマだけでなく、その目標をなぜ取り上げたか、なぜこの達成基準にしたのかという、背景や根拠について部下の想いを理解することです。
また、どのように達成しようと考えているのか、目標達成の手段についても十分説明を受けるようにします。
(2)積極的に質問・指摘をする
管理者は部下の説明に基づいて、目標テーマ・達成基準・達成手段が適切であるかどうかを確認する。
疑問点や指摘すべき点があったら、率直に部下に投げかけ、部下からの回答には、注意深く耳を傾けるようにします。
(3)互いが納得できるように調整を行う
目標に関する意見の食い違いが生じた場合でも、管理者は強引に自分の意見を押し通そうとせず、部下が納得できるように導いていくことが大切です。
どこに問題点があるのか、その根拠と修正ポイントを、分かりやすく説明します。

3) 面接場面でのコミュニケーション
(1)面接場面での聞くスタンス
目標設定時に限ったことではないが、面接場面でのコミュニケーションにおいては、部下の話を聞くことにウェートを置くのが望ましい。
そこで、上司と部下のコミュニケーションにおいて「聞く」という観点から、気をつけるべきポイントをいくつか挙げると次のようになります。
①質問をうまく用いる
②話すときと聞くときは区別する
③重要なことは最後に話す
④自己洞察の時間を与える
(2)聞くが7割、話すが3割
「聞くが7割、話すが3割」という言葉がありますが、面接ではこれがすべてです。
面接の後、「今日は、十分話を聞いてもらえた」と部下が感じたらこの面接は成功といえます。

4)面接に求められる態度
(1)管理者の態度が部下の受容を引き出す
基本的にコミュニケーションは、人に対する態度の問題だと考えてもよいといえます。部下に共感し、部下を理解しようとする管理者の態度が、部下の受容を引き出すのです。
(2)管理者は寛容な態度で面接に臨む
管理者に求められるのは、「人はあいまいな存在である」という人間観による寛容な態度です。人は、他人にじっくり話を聞いてもらうことで、自分の矛盾に気づき、自発的に行動を修正しようとするものです。部下は、そのような寛容な態度を示す上司に対し、信頼感を持つのです。

御社の営業職場の目設定面接はいかがですか。
そのしくみづくりと運用・機能化はいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがといございました。

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