第32話:営業業績向上と組織開発

営業業績向上の組織開発は、営業管理者による職場メンバーが仕事上の意思決定を行う場合の判断基準づくりとその基準を適用し職場メンバーが環境適応へのあるべき行動変革を生み出す技術の取得が重要な焦点と考えます。

先日、営業管理者の力づけの件でお伺いしたあるメーカーの経営幹部の方から「経営戦略を現場で実行する各営業課の「環境に適応する組織づくり・人づくり」を考えているのですが・・・」というご相談を受けました。

今回は、営業業績向上の組織開発として「環境適応組織づくり・人づくり」について述べてみます。

営業管理者に期待される役割は、内外の環境変化に適応しながら自組織の「業績の向上」と「強い・自律課題解決成長型組織づくり・人づくり」と考えます。

絶え間なく変化する外部環境変化には、経営トップ層が目標・方針を打ち出すだけでは適応することは出来ませんし、経営トップ層の目標・方針を受けた部門長などの上級管理職が大声で号令をかけるだけでも適応することは出来ません。
 仕事を通じて多くの情報をリアルタイムで得ている営業現場が主体的に環境変化を意識し、経験や知恵を生かして創意工夫することによって環境適応していくことが欠かせません。
 営業個々の職場の営業現場という最前線において日々行われている細かい業務が外部環境への適応という方向にきっちり向いていることができていて、初めて外部環境への適応ができるといえます。
 したがって営業管理者には、外部環境への適応という方向に自組織を動かしていくことが求められます。

また、内部環境も経営トップ層や上位者及び他部署からの期待・要請の変化、職場における仕事とワークスタイル(働き方)の変化、メンバーの働く意識の変化などさまざまな変化が生じています。
営業管理者には内部環境の変化にも適応することが求められます。

組織は経営トップ層の力だけでは動きません。組織の中間に位置する管理者が組織の存続と発展に大きく関与しており、その能力や手腕が組織の今後を左右するといっても過言ではないと考えます。
 私どもの体験では、今日の企業課題は、会社の経営戦略を実行する各現場の管理者の能力開発と組織風土の革新と考えています。

今日の営業管理者が期待されている役割を果たすための組織づくり・人づくりのマネジメントは、私どもは「環境変化に適応する強い・自律課題解決成長型組織づくり・人づくり」と考えます。
 今回のサッカーのワールドカップロシア大会で日本選手の活躍がありましたが、ある専門家の方は、「監督が代わって指導方法が変わった」、前監督時は、「選手は監督の言うことを試合でやろうとしていた(いわれることをやろうとしていた)」、 今の監督下では、「選手は自分たちで、このようなときはどうする、こうなったらどうすると話し合って試合に臨んでいる」、「監督が相手ごとに組織をデザインし具体的なやり方は選手が話し合いで決めている」、「そうすることで選手の力が引き出されていい結果につながったのではないか」と話されていましたが、まさに「環境変化に適応する強い・自律課題解決成長型組織づくり」だったのではないでしょうか。

「環境変化に適応する強い・自律課題解決成長型組織づくり・人づくり」マネジメントのポイントは、2つです。一つは、営業管理者による職場メンバーが仕事上の意思決定を行う場合の判断や行動選択の基準の整備です。
 そして、もう一つはその判断基準を実際のマネジメントで適用し職場及び職場メンバーが環境適応へのあるべき状態への行動変革を生み出す技術の習得です。

判断基準の整備だけでは、時として絵に描いた餅に終わります。職場及び職場メンバーが、環境適応へのあるべき状態への行動変革を創り出す技術の習得が重要になります。

営業管理者の営業業績向上の組織開発は、「内外の環境変化に適応する強い・自律課題解決成長型組織づくり・人づくり」であり、そのための職場メンバーの仕事上の意思決定を行う判断基準の整備とその適用による職場及び職場メンバーが環境適応へのあるべき状態への行動変革を生み出す技術の習得をされることです。

私どもの営業課長・所長の業績向上の組織開発は、「内外の環境に適応する強い・自律課題解決成長型組織づくり・人づくり」のしくみづくりとその運用、機能化です。

御社の営業管理者の、「内外への環境に適応する組織づくり・人づくり」のマネジメントはあるべき状態でなされていますか?
そのしくみづくりと有効機能化は上手くいっているでしょうか?

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