第30話:営業業績向上と組織開発

営業業績向上の組織開発は、営業管理者が自組織の継続的な営業業績向上のフォーメーションをつくり、その行動化を通して組織を組織にすることであり、組織にメンバー全員の力を結集出来る状況にすることが重要な焦点と考えます。

数年前、あるメーカーの営業部の組織開発・人づくりをお手伝いした際、事前打ち合わせの中で経営者から「うちは個人商店の集まりの最たる組織です。みんなで話しあってやるように言ってはいるのですが・・・・・」ということを伺いました。

お手伝いしてみますと、営業形態は既存顧客からの引き合いが中心の営業で、営業に必要なデーターや情報、ノウハウは個々人管理であり、まさに個の集まりの組織そのものでした。それでも営業業績は何とか横バイを維持されていましたが、これはベテラン社員が多く、取引先との人間関係によるもので、営業・営業組織体質はともに負の営業組織でした。

今回は、営業業績向上の組織開発と組織づくりについて述べてみます。

営業業績向上のポイントは、これというのは難しいことですが、「的確な環境の把握」×「適正な戦略の形成」×「活力ある組織・人」と考えています。

そして、戦略は発想レベルであり、形成された戦略を行動化できるものは組織・人であり、継続的な営業業績の向上には、「組織にメンバー全員の力を結集できる状況が生まれたとき」であると考えています。
 この状況は、「個の集まりの組織から、組織が組織になったとき」です。

私どもの体験ですと、上記で紹介させていただいた企業さんほどの状態ではない企業さんでも、編成された組織が組織になっている営業組織は極めて少なく、多かれ少なかれ個の集まりの状況で活動されている組織が圧倒的に多いのが現実です。

それは組織診断をしてみますとよく分かります。
診断項目に対する集計表を見てみますと、各項目別の評価点数は組織メンバー間で同じものは少なく、ほとんどが違います。また、評価点数の合計点も個々人まちまちで、組織メンバーの自組織に対する評価は違います。
 即ち、組織に対する評価はメンバー間でまちまちであり、合っていない状況です。
そして、組織の評価点数の低い営業組織程、営業業績が良くないといえます。

営業組織が個の集まりですと、営業担当者の目標達成状態は、目標達成担当者がよくて20~30%であり、50%を超えるのは難しいことが一般的です。
 継続的に営業業績を向上する常勝組織づくりには、組織の70%以上の担当者が常に目標を達成し続ける組織づくりです。

そのためには、自組織が個の集まりから「組織になる」ことです。全メンバーのベクトルが合っている組織です。

プロスポーツの世界でも、各監督は勝負に勝つためにチームが一つになること(組織になること)に力を注ぎます。チーム個々人の個人技がどんなに優れていても、それだけでは勝負に勝てないからです。

営業組織開発で重要なことは、まず「組織を組織にする(メンバーの心が一つになる)」ことです。個人技は組織活動の中での活動です。

営業管理者に求められることは、自組織の継続的な営業業績向上のフォーメーションをつくり、その行動化を通して組織メンバーのベクトル合わせを行い組織を組織にすることです。

そして、組織にメンバー全員の力が結集する状況が生まれる組織にすることです。
その結果、形成した戦略の行動化力を高めることです。
 即ち、活力ある組織づくり・人づくりをすることです。
しっかり内を固めることです。

私どもの営業課長・所長の管理は、営業管理者が自組織の継続的な営業業績向上のフォーメーションをつくり、その行動化を通して自組織を組織にするしくみづくりであり、組織にメンバー全員の力を結集する状況づくりのしくみづくりとその運用、機能化です。

御社の営業管理者の営業業績向上の組織づくりはいかがですか?
そのしくみづくりと有効機能化は上手くいっているでしょうか?

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