第79話:営業業績向上と組織変革
企業を取り巻く環境が激しく変化している今日、企業は従来の延長戦上からは想定できない状況に直面することが多くなりました。
このような不確実性の高い環境の中で成長を続けていくためには、企業には、常に変革が求められています。
今回は、営業業績向上と組織変革について述べてみます。
景気さえよければ、どの企業も業績が良くなるという考えは、もはや過去の通念です。景気の良しあしにかかわらず、どの業界でも企業の真の実力が問われるようになり、その結果、勝ち組と負け組の明確化という現象が起こりました。
そして、勝ち組といわれる企業は、皆、「変化を常といている」という共通点があるといえます。
しかし、組織変革を推し進めていくことは、容易なことではありません。人は、基本的には変化を好みません。
<組織変革の障害の例>
(1)過去の成功体験を捨てることのできない人たちは、変化を受け入れられず、これまでの既存のモノの見方、考え方、行動のパターンに固執し、あたらしい動きを阻む。
(2)全体最適化を理解せず、自部門・自職場の利益、自分の立場から反対する人たちが抵抗する。
(3)ライバル意識やプライドの高い関係者の抵抗。優れた改革案を出しても、第三者的立場で批判を行い、協力の姿勢をあらわさない。
(4)新しいことをやろうとしても、現在の仕事のやり方、しくみ、制度の在り方が障害になり、身動きが取れない。
(5)経営トップや部門経営者が、自分の在任期間中に大きなリスクを冒すことを避けるため、いざという場面で決断をウヤムヤにする。
(6)総論については賛成していても、各論レベルになると、各部門が自分たちの事情を打ち出して、合意しない。
(7)普段から仕事に努力せず、業績に貢献していない人たちは、議論の場で批判を繰り返すだけで、積極的には行動しない。
企業が大規模な変革を強力に推し進めるには、カリスマ的な経営トップの存在が必要となるでしょう。しかし、企業を取り巻く経営環境が変化し続けている以上、経営が危機的な状況に陥ずとも、経営トップがカリスマでなくても、企業は絶えず進化し続けなければならないのです。
変化を日常としている組織では、経営トップだけの力で変化がなされているわけではありません。そこには、変革行動を主体的に実行する現場があるのです。
変化を日常としている組織の現場は、短期成果だけを追求しているのではなく、必ず長期的な視点を持っています。
ある方は、「適応と適応力には時間軸が入ってくる。短期の適応、長期の適応力。
既存の事業で今適応していないと滅んでしまうこともある。しかし、目先の適応を見ていると大きな環境変化のとき滅びる」と適応と適応力の違いを説明されています。
今、会社は環境にうまく「適応」していて全社的に大きな変革に取り組む必要はないかもしれません。しかし、現場を預かる管理者としては、長期的な視点を持って現場に「適応力」を育んでく必要があるのです。
全社的な変革活動の有無にかかわらず、変革行動の実行力や長期の適応力を現場に育んでいくことが、管理者には期待されています。つまり、現場が変化を日常とできるよう、組織行動を変革することが求められています。
御社の営業職場は、変化を日常とする組織行動はいかがですか。
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか。
最後までお読みいただき有難うございました。
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