第77話:営業業績向上と職場目標の設定

営業業績向上の職場目標の設定は、営業課長・所長が目標への意味づけを主体的に行う、職場課題を基に職場目標を設定する には、職場課題の重点化と計画化を行う、職場目標は上位目標・個人目標との連鎖をさせるなどが重要な焦点と考えます。

すでに述べましたが営業課長・所長が営業業績向上の管理を効果的に遂行するためには、目標による管理をベースに展開することが重要です。

今回は、営業業績向上と営業課長・所長の職場目標の設定について述べてみます。

職場目標というものは、黙っていても上位から期待としてブレークダウンされるものです。しかし、このとき上位からブレークダウンされた目標を言われるままに受け入れ、それを機械的に部下に割り振っているようでは、営業課長・所長の存在意義は小さいと言えます。
経済が右肩上がりの時代には、それでも部下の大半は黙って仕事に取り組んでくれたでしょう。
しかし、経営環境が厳しく、部下の価値観が多様化した今日にあっては、そうはいきません。
部下は「目標は上から与えられるもの」「仕事は課せられたノルマ」といった、受動的な意識を持つことになり、結果として意欲的な活動がなされず、職場の成果も上がらないといえます。

それを避けるためには、営業課長・所長が「なぜそれが必要か」という、自分たちにとっての目標への意味づけを、主体的に行う必要があります。

今日の営業課長・所長には、事業家スタンスになって「何をすべきか」を検討し、主体的に課題を形成することも求められているのです。

職場課題を基に職場目標を設定するには、職場課題の重点化と計画化を行う必要があります。

重点化を図った職場課題を選定するには、以下のような観点から絞り込むとよいでしょう。
①その課題への取り組みは、職場の成果を向上させるものか
②日々の業務遂行において、問題意識の高いものか
③部下が主体的に取り組みたいと思えるものか
このようにして選定した課題が職場目標の起点となります。何を課題と見るかによって職場活動の方向性が決まるので、十分検討することが大切です。

重点化を図って職場課題を選定したら、次にそれを遂行するための中期計画をまとめます。

職場課題には、数か月で解決できそうなものから、数年かけて解決するようなものまで、さまざまなものがあるはずです。
そこで、それらの課題を、3年間でどのように遂行していくかを、計画化していくことになります。

ただし、せっかく短期~中長期までの目標を設定したとしても、実際の場面では短期目標の達成だけが意識されがちです。せっかく検討した中長期の課題や目標も、日々の目標の中で意識されなければ、その実現は困難となります。
そこで、当期目標に中長期の課題や目標を取り込むようにします。

また、職場目標は、組織目標と連鎖させる必要もあります。上位目標と職場目標を連鎖させ、さらに個人目標に連鎖させることで、部下一人ひとりの目標達成が、職場全体の目標達成につながるようにしなければならないのです。

上位からブレークダウンされた目標を、言われるままに受け入れているだけでは、その後のマネジメントは効果的なものにはなりません。
営業課長・所長は、主体的に設定した職場目標を、上位からの期待として示された組織目標に、うまく折り合いをつけて、最終的な職場目標を決定しなければなりません。

御社の営業課長・所長の職場目標の設定はいかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?

最後までお読みいただき有難うございました。

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