第76話:営業業績向上とモチベーション

営業業績向上でのモチベーションは、一律の施策を打ち出して社員のモチベーションを高めることではなく、営業課長・所長が目標による管理を展開するプロセスにおいて社員一人ひとりの個別の欲求に応えていくことが重要な焦点と考えます。

営業課長・所長が管理を遂行するためには、目標による管理をベースに展開することが重要です。今日は、そのプロセスにおいてメンバーのモチベーションをさらに引き出すことが課題となっています。

今回は、営業課長・所長の管理とモチベーションについて述べてみます。

かつての終身雇用や年功序列といった日本型雇用慣行が生きていた時代の、賃金とポストによる処遇制度が社員のモチベーションを支えることが不可能となりました。また、その後の成果主義型の人事制度も社員のモチベーションを高めることにはなりませんでした。

ではどうやって社員の仕事へのモチベーションを上げるのか、それは、どの組織にとっても課題となっています。

今日は、経済的に豊かになり、社員の働く価値観が多様化して、全社一律の施策だけで社員全員のモチベーションを高めることが難しくなっています。

1つの施策である特定の人だけのモチベーションを高めたとしても、一方でほかの人たちのモチベーションを低下させてしまいかねません。動機づけに関する施策の受け止め方は千差万別で、それを契機に仕事に励む人もいれば、反対に仕事から距離を置いてしまう人もでてしまいます。

今日は、一律の施策を打ち出すことで社員のモチベーションんを高めることは非常に困難な時代です
つまるところ、社員一人ひとりの個別の欲求に応えていかなければ、社員を仕事に動機づけることはできないのが今の時代といえます。

では、どういったことが社員の動機づけ要因となるのだろうか。それは、各自が仕事へのモチベーションが高まったときのことを考えてみて、その場面を思い浮かべてみると理解できます。

モチベーションが高まったときのことには、「重要な案件を任された」「自分の成長が感じられるとき」「自分の裁量で自己決定して仕事を進めているとき」・・・など

反対にモチベーションが下がったときのことは、「上司からああしろ!こうしろ!と一方的に命令されたとき」「自分としては成果を出したのに上司が評価してくれなかった」「上司の方針や管理の仕方に納得できなかったとき」・・・などです。

そして、これらの動機づけ要因には、上司に関するものが多いといえるのではないでしょうか。

動機づけには、上司という存在が思いのほかメンバーのモチベ―ションに影響を与えているものです。一律の施策によって社員のモチベーションを高めることが期待できない今日にあっては、個々の社員のモチベーションに上司が与える影響が相対的に大きくなっているといえます。

組織の社員のモチベーションが上がるも下がるも現場の管理者次第といっても過言ではありません。メンバーをいかに動機づけることができるか、管理者にはその力量が問われている時代です。

営業課長・所長は、目標による管理を展開するプロセスでメンバー個別の欲求に応えて、仕事へのモチベーションが高まる場面を意図的に創り出すことが大切です。
そして、メンバーが意欲的に取り組める状況をつくり出し、継続的成果に結びつけようとする視点を持つことが重要です。

御社の営業課長・所長の仕事への動機づけはいかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?

最後までお読みいただき有難うございました。

「営業業績向上の視点」の更新をお知らせします!

メールマガジン登録を頂きますと「営業業績向上の視点」の更新時にお知らせメールをお届けします。
最新号をお見逃しされないために是非ご登録ください。