第75話:営業業績向上と目標による管理の基本

営業業績向上での「目標による管理」の基本は、「メンバーの 目標設定への参画」「メンバーによる目標達成活動の自己統制」をしっかり行い、メンバーが自主的に仕事に取組み、創造性や積極性を発揮することが重要な焦点と考えます。

営業課長・所長には、目標達成、人材育成、強い職場づくりという3つの大きな役割が期待されています。

今回は、目標達成の管理の根幹をなす考え方である「目標による管理」の基本について述べてみます。

組織から期待される成果を上げるためには、営業課長・所長やメンバー一人ひとりが一丸となって組織目標の達成に向かって、それぞれの仕事に取り組む必要があります。
しかし、営業課長・所長の仕事には、メンバーのそれとは決定的に違っていることがあります。それは、メンバーの働きを通じて成果を生み出していかなければならないということです。
そこで、営業課長・所長にはメンバーの意欲を最大限に喚起することと、組織から期待される成果を創出するという2つの要件に同時に応えていくことが求められます。

このような要件を組織目標と個人目標を統合して実現しようとする管理が「目標による管理」であるといえます。

目標による管理は、「目標と自己統制による管理」つまり、メンバーを目標設定に参画させ、その達成のプロセスもメンバー自身に主体的に統制させようとする組織管理の考え方です。
営業課長・所長が目標を一方的に押しつけたり、仕事のプロセスを見ずに結果だけを評価したり、一方的に指示、命令をするような管理方法では、メンバーの組織への貢献意欲は引き出せないし、メンバーンの成長も望めません。
「目標による管理」は職場目標の達成およびメンバーの成長とやりがいを同時に実現し職場業績を上げていくために不可欠な手法であるといえます。

目標による管理の実践のポイント

(1)メンバーの目標設定へ参画
 目標による管理の運用には「目標連鎖」という大原則があります。営業課長・所長は目標連鎖を意識するあまり、メンバーの想とは無関係に上から下りてきた目標を一方的にメンバーに割りつけてしまうことがあります。
しかし、それでは、メンバーにやらされ意識が生じノルマ管理と変わらなくなってしまいます。
そうならないためには、メンバーを目標設定に参画させることが大切です。メンバーを目標設定に参画させれば、メンバーは仕事への創造性や積極性を発揮することになるからです。誰でも、与えられたノルマより自分が納得して設定した目標に対しての方が、工夫して取り組もうとするし、進んでやる気になるものです。

営業課長・所長は、上位―職場―メンバーの目標を連鎖しなければならないわけですが、メンバーを目標設定に参画させ話し合いを通じて本人の意向を確認し、メンバー本人に主体的に目標を設定させる必要があるのです。

(2)メンバーによる目標達成活動の自己統制
 目標による管理を効果的に機能させるためには、メンバーによる目標達成活動の自己統制も欠かせません。

自己統制とは、メンバーの目標達成活動を営業課長・所長が統制するのではなく、メンバー自身に統制をさせることです。「あれをやれ!これが先だ!」などと、上司から事細かい活動を統制されるよりも、ある程度自由裁量を持って仕事を進めた方が誰もが工夫して主体的に仕事を進めようとするものです。

メンバーは、自ら設定した目標を自分で考えながら達成しようとすることで、目標達成意欲を高め創造性や積極性を発揮することになります。
目標による管理を効果的に実践するためには、この2つのポイントが欠かせません。

御社の営業課長・所長の目標による管理の基本はいかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?

最後までお読みいただき有難うございました。

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