第67話:営業業績向上と客観的な方法による予測・分析

営業業績向上は、営業課長・所長が営業戦略や販売計画立案のための客観的な方法(数字を使って)による予測・分析と内外の環境分析により、効果的な営業戦略の立案と精度の高い販売計画の立案がなされることが重要な焦点と考えます。

営業課長・所長が営業戦略や販売計画立案をするためには、客観的な方法(数字を使って)による予測・分析と内外の環境分析が必要です。
今回は、営業課長・所長の営業業績向上と客観的な方法(数字を使って)による予測・分析について述べてみます。

予測・分析する項目として、市場需要の予測、売り上げ規模の予測、売上構成分析、市場区分別売上状況の把握などがあります。

1、市場需要の予測
売上予測をするためには、主観が入らないで「数字」を使って「定量的に押さえる」必要があります。この定量的押さえを欠くと、判断が感覚的なものになりがちです。市場戦略において客観的に正しく実態をつかむためには、定量的分析は不可欠なプロセスといえます。
市場の需要がどのくらいなのかによって、市場への取り組み方は異なってきます。需要が大きくなると見込めば、それに合わせた投資が必要となります。需要が小さくなると判断すれば事業縮小に向けた策を考えなければならないからです。したがって、需要予測の精度は、事業の方向性を定めるうえで重要なカギを握っているといえます。

需要予測の方法は、官庁統計や業界統計からの需要予測、各社の事業報告書からの需要予測、普及率から見た需要予測になります。

2、売り上げ規模の予測
市場の需要が予測できたなら、今度は過去の売上実績データを基に、今後の売り上げ規模を予測していきます。
過去の実績傾向からみて、今後もその傾向がほぼ同じように推移するという前提の下で予測する手法を紹介します。

1)目安法
過去の実績を折れ線グラフに表示し、そのグラフの状態から目見当で傾向線を書き入れ、それに基づいて次年度の予測値を推計するというものです。

2)両分平均法
過去の期間実績を前半と後半に分け、それぞれ平均値を出し、2つの平均値を直線で結び、傾向線として予測します。

3)移動平均法
過去の期間の実績について、何期間かの平均値をとり、それを1期間づつずらして平均値の変化を見ることで傾向をとらえます。

4)最小二乗法
売上実績から数学的に今後の売上傾向線を出す方法です。
売上実績の数字と計算された期間差の自乗の和が最小になるように傾向線を求めようとする方法です。直線式で求める方法と曲線式で求める方法があります。

3、売上構成比の分析
ビジネスの世界ではよく、「20 : 80の原則」という言葉が使われます。例えば、小売業では、20%の顧客数で80%の売上を占めるといわれています。特定の優良顧客をしっかり集中的にとらえることが、いかに重要であるかを示しています。
顧客や商品面で、どれだけ売上が集中しているかを見るものに「ABC分析」という手法があります。

4、市場区分別の売上状況把握
市場をいくつかに分けて、現在どうゆう状況かをつかむためには市場区分の管理データが必要です。市場は、地域別、業界別、販売チャネル別、商品別、顧客別などに区分するのが一般的です。この市場区分ごとに、市場規模、実績売上げ、シェア、市場の伸び率を算出します。

営業課長・所長の営業業績の向上は、上述のような客観的な方法(数字を使ってによる)予測・分析と内外の環境分析による効果的な営業戦略の立案や精度の高い販売計画の立案が肝要です。

御社の営業課長・所長の営業戦略立案時や販売計画立案時の客観的な方法による予測・分析はいかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?

最後までお読みいただき有難うございました。

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