第68話:営業業績向上と営業目標の設定

営業業績向上は、営業課長・所長が営業活動を他社より優位に展開していくための戦略が必要であり、戦略立案の基盤の一つである営業目標設定の方法についてもよく理解され、効果的な営業戦略を立案されることが重要な焦点と考えます。

営業課長・所長の効果的な営業戦略の立案のためには、その基盤となる内外の環境分析と戦略課題形成の方法、需要予測と売上実績分析、営業目標の設定の方法について理解を深めることが重要です。

今回は、営業課長・所長の営業業績向上と営業目標の設定について述べてみます。

営業目標の設定の進め方は、まず、会社・事業部・部門のビジョンに沿って、職場ビジョンを設定する、職場ビジョンと需要予測・実績分析に基づき職場目標を設定する、職場目標を細分化する、個人別目標を設定するとなります。

1、職場のビジョンの設定
主体的に自分たちの到達したい姿(ビジョン)を描く。

職場ビジョン設定時の注意点は、次の通りです。
①会社・事業部・部門のビジョンに連動した内容になっているか。
②わかりやすく、納得できる内容になっているか。
③共感が得られ、しかも革新性が感じられる内容になっているか。

2、職場目標の設定
(1)目標の種類
職場目標には、いくつかの種類があります。

まず、表現の仕方によって次のように分類されます。
①定量目標:数字で表現される目標で、代表的なものに売上げ、利益目標やシェア目標などがあります。
②定性目標:数字で表現できない目標で、到達したいある状況を示す目標です。営業担当者の営業力や技術力、運営力などをどの状態まで上げるかなどのほか、市場内の位置づけや地域貢献度などを表すときに使います。

また、目標設定の対象から見ると次のように分けられます。
①対外的目標:顧客や競合などの外部環境に対する目標です。
②対内的目標:社内組織や活動に対する目標です。
一般的には、定量目標と定性目標の2つを用いて表すことが多くなっています。

(2)職場目標の設定
 <定量目標の設定>
代表的な定量目標の設定のポイントは、次の通りです。
①売り上げ目標:自分たちが到達したい事業規模を示す。
②利益目標:業界一般や全社の期待水準を意識してつくる。
③シェア目標:現シャアを段階的にどこまで伸ばせるかを考える。
④人員数:売上目標と組織の規模のバランスを考慮する。
⑤一人当たり売上:会社・事業部・部門の期待水準との調整が必要。

<定性目標の設定>
代表的な定性目標の設定のポイントは、次の通りです。
①営業力:どのような営業スタイルで顧客との関係を築くか。
②技術力:どのような技術を装備するか。
③商品力:どのような商品を充実させていくか。
④運営力:どのような組織運営、顧客の組織化をしていくか。

3、個人別目標の設定
地域や顧客を誰が担当するかで数値面における個人目標が決まります。

個人目標を設定する場合、次の点に留意します。
①個人ごとの保有顧客の内訳と数に留意する。
②個人別の受注残や引き合い件数などを加味して目標を設定する。
③新規開拓の目標の設定は明確にする。
④特別な役割をもったメンバーについては一定の配慮をする。
⑤新人の目標には一定の配慮をする。
⑥数値目標を達成するための個人課題を明確にする。
などです。

御社の営業課長・所長の営業目標の設定はいかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?

最後までお読みいただき有難うございました。

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