第64話:営業業績向上と営業活動の生産性
今年も3月になり事業の年度末で、今期の振り返りと来期の課題形成に取り組まれておられる営業課長・所長も多いことと推察いたします。
今回は、営業課長・所長が管理の目的を実現するために、押さえておかなければならない基点の一つである「営業業績向上と営業活動の生産性」について述べてみます。
生産性とは、インプット(投入)とアウトプット(産出)の関係で決まります。
営業の場合、営業担当者の人数、人件費や時間工数、販売費などがインプットに相当し、売り上げ、利益やシェアがアウトプットに相当します。
営業活動の生産性を高めるためには、①インプット変化なし・アウトプット増加、
②インプット少し増加・アウトプット大幅増加、③インプット少し減少・アウトプット変化なし、④インプット大幅減少・アウトプット少し減少の4つのパターンがあります。
営業活動の生産性が向上しない主な問題として、次のようなことが考えられます。
1)インプット・アウトプットの関係把握が不十分
営業担当者のインプットといえば、営業活動の量ということになります。アウトプットである売上や利益は、数字で営業担当者に明確に提示されています。しかし、インプットとアウトプットとの因果関係があいまいで、どれだけ活動すれば、どのくらいの成果が上げられるかといった仮説やロジックが欠けていることが挙げられます。
2)セールスモデル構築
セールスモデルとは、営業活動の手順と手順ごとのコンテンツ(内容)のことです。
このセールスモデル構築が不十分のために、組織としてこうゆった売り方をするといった戦略性に欠けているといえます。
3)結果追求のマネジメント
インプット、セールスモデルといった成果を生むプロセスがシッカリ組み立てられていないと、営業マネジャーは結果のみを厳しく追求する意味のないマネジメントスタイルになってしまいます。結果はいくら追及しても変わりません。その結果を生み出すプロセスをシッカリ管理することが、セールスマネジメントの成功のカギとなります。
これらの問題を踏まえ、営業の生産性を高めていくための主たる課題を挙げると、次のものになります。
1)精度の高い販売計画の立案
営業は、当然のことながらインプットからスタートします。このインプットが適切に投入されて、目標が達成されます。そのためには、営業戦略と連動した精度の高い販売計画を立案しなければなりません。
2)セールスモデルの構築
いくらインプットの量が適切でも、その質が低ければ目標を達成することは出来ません。営業活動をしくみとしてとらえ、効果的なモデルを構築し、効率的に運用していくことが、営業の生産性向上のカギとなります。
3)販売の構造
販売の構造は、直接営業と中間流通を介する間接営業に分けて考えます。直接営業の場合も間接営業の場合も販売の構造で、売り上げの拡大をめざしていきます。
4)営業担当者の育成
精度の高い販売計画を立て、素晴らしいセールスモデルを構築しても、それを遂行する営業担当者の能力が不十分であれば、成果は期待できません。今日の営業にとっての重要課題は、営業担当者の育成です。
5)商品やブランドの育成
顧客は、営業担当者に提案された商品によって自分の抱えている問題が解決出来たら、商品やブランドに対して価値を感じるようになります。
そのため、営業担当者としては、自社商品がどのような顧客の問題を解決できるか的確に把握するとともに、自社商品によって解決できる問題の範囲を拡大させていくこと(用途開発)が必要です。
御社の営業課長・所長の営業活動の生産性向上管理はいかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?
私どもの「営業課長・所長の管理、そのしくみづくりから運用・機能化まで」の営業活動の生産性向上管理は、上述のような考え方に対応しています。
最後までお読みいただき有難うございました。
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