第6話:営業業績向上と管理者

継続的な営業業績向上は、 組織の柱である管理者がしっかりした柱となり、 安定した組織になること が重要な焦点と考えます。

よく管理者は、組織の柱であり、柱がしっかりしている組織は安定するといわれます。

継続的な営業業績向上には、安定した基盤をつくりながら目標を達成することであり、安定基盤づくりとは、市場における顧客づくりと社内における組織づくり・人づ
くりです。その為には、組織にしっかりした柱をつくり続けることが重要であることはいうまでもありませんが、この柱の状況は、企業さんによりいろいろです。

今回は、今日の営業業績の向上の視点から管理者、特に中堅管理者(課長クラス)に求められるものについて、いくつか述べてみたいと思います。

現在お世話になっています企業さんは、営業部長が1名、営業課長が4名、営業部員30名の営業部です。営業業績は、ここ数年なんとか横バイ状態が続いていました。
経営者が「うちの中堅管理者はまだまだですから」といわれるように、中堅管理者4名の課長とも組織の柱的な存在で、資質的には特に問題がありませんでしたが、継続的な営業業績の向上の管理者となると、求められるものについても、問題点がいくつかありました。

まず、中堅管理者の発想と行動には、次のようなアプローチが考えられます。
一つは経営者及び営業部長からブレイクダウンされた目標と現状のギャップを分析し原因をつぶしていく問題解決型アプローチです。
今一つは、自らも環境(内外)を解釈し、自職場の構想を練り、環境適応へ革新行動を起こしていく環境創造適応型アプローチです。
この企業さんの中堅管理者のアプローチは、問題解決型アプローチではありませんでしたが、さりとて環境創造適応型アプローチとまではいえない、戦術レベルのいかに売るか的アプローチでした。
今日の中堅管理者には、環境創造適応型アプローチが求められます。

次に、今日の企業経営は、組織の中の階層や地位にとらわれず、一人ひとりの創造的アイデアを引き出し、それを戦略や組織運営に効果的に生かしていくことで、常に経営そのものを革新していくことが重要不可欠と考えます。そのための企業経営は、ミドルアップダウン経営が良いとされています。
このような状況の中にあって中堅管理者は、営業現場の情報の収集その解釈をし、トップ層への戦略の提案(ボトムアップ)とトップ層からの経営戦略(トップダウン)を解釈し自職場の構想を練りメンバーに提示する、トップダウンとボトムアップの結節点を担うことが求められますが、この企業さんの中堅管理者は、十分機能しているとまではいえない状況でした。

次に、中堅管理者に求められる時間展望ですが、過去の延長線として現在を肯定するモノの見方による過去志向、短期課題達成への強い執着と効率向上による業績改善をしようとするものの見方による現在志向、明快な将来イメージを持ちその実現に向けて現在の事柄を決定していこうとするものの見方による未来志向が考えられます。
今日の中堅管理者に求められる志向は、未来志向であり、自分を未来において現在をそこに引き寄せるという着想が必要です。
未来を語る変革管理者であり、未来に向かって手を打っていく管理者ですが、この企業さんの中堅管理者の時間展望は、未来志向というよりは現在志向でした。

現在は、継続的な営業業績向上自動化のための営業課長・所長の管理の仕組みづくりとその運用、機能化に全員参画で取り組まれ、中堅管理者のこのような問題点も改善・改革が見られ、組織のしっかりした柱となりつつあり、営業業績も向上が見られています。

御社の中堅管理者の発想と行動は問題解決型アプローチですか、環境創造適応型アプローチですか? トップダウンとボトムアップ結節点としての機能はいかがですか?
時間的展望は、未来志向になっていますか?

 

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