第12話:営業業績向上と組織マネジメント

継続的な営業業績向上の組織マネジメントは、管理者が自ら環境を解釈し、自組織の構想を練り、革新行動を起こしていくことが重要な焦点と考えます。

今度お世話になることになりました企業さんの経営幹部の方から、「営業課長の力をつけたい」「うち課長は、あまり自分で考えない」「与えられたことや言われたことはやる」「提案がない」などお伺いしました。

私どもがやっていることの概要を説明し、営業・営業組織活動の状況をお聞きしましたら、私どもの営業業績向上戦略の「当たり前なことは当たり前に行われている状況」(ステージ2)であり、外固めも内固めも出来ているとまでは言えない状況であるということでした。

この企業さんの現状の営業の組織体質は、指示待ちの体質であり、マネジメントは、任務遂行型のマネジメントと言えます。
この状況ですと、人的資源は効果的に用いられているとは言えず、継続的な営業業績の向上は、難しいといえます。

このような状況になっている原因の一つに、上司の指示・統制的なリーダーシップがあります。

営業業績が順調な時は、営業課長もこのような状況にはならないこともありますが、業績が思わしくない状況になりますと、上司の指示・統制が強くなり、課長の方はやっても駄目だと考えがちになり、その結果、指示待ちになったり、与えられたことや言われたことはやりますが、自らやらなければならないことに挑戦しない、自分であまり考えない、提案もしなくなることがあります。

すでに述べましたが、今日のような変化時代の営業課長に求められる行動・態度は、上層部から自組織にブレイクダウンしてきた、目標と現状のギャップを分析して原因をつぶしていく問題解決アプローチではなく、トップダウン方式の組織運営に頼らないで、自ら環境を解釈し自組織の構想を練り、革新行動を起こしていく環境創造適応型アプローチです。

また、今日の企業経営は、組織の中の階層や地位にとらわれず、一人ひとりの創造的アイディアを引き出し、それを戦略や組織運営に生かしていくことで、常に経営そのものを革新していくことが重要不可欠です。

そのために営業課長に求められることは、営業現場の情報収集とその解釈によるトップ層への提案と経営戦略を解釈し自組織の構想を練りメンバーに提示する活動です。

それは、やらねばならないことに挑戦していく営業課長です。マネジメントでは、機会開発(未来実現)マネジメント、目標達成(可能性に挑戦する)マネジメントです。

上層部のリーダーシップも指示・統制的リーダーシップ(人的資源活用型)から、支持・援助的リーダーシップ(人的資源開発型)への変革が求められますが、営業課長が環境状況の自己認識による自組織の構想を描き出し、その実現のための課題・目標を設定し、目標達成のためにメンバーを誘導・推進する仕組み化により、営業課長の行動・態度の変革は可能です。

営業課長の行動・態度の変革により、上司のリーダーシップも指示・統制が緩いものになったり、変革も見られるようになります。

今度お世話になります企業さんの「営業課長の力づけ」その仕組みづくりと有効機能化でのお手伝いで、どのようなドラマがあり、どのような成果が見られるか今から楽しみです。

御社の上層部のリーダーシップは、指示・統制的ですか、支持・援助的ですか?
営業課長の組織マネジメントの自組織の構想づくりの仕組みづくりはいかがですか?
その仕組みはうまく機能していますか?

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