第17話:営業業績向上と人的資源開発
前回、営業業績向上は、管理者の職場マネジメントが、メンバーに理解され受け入れられて、営業活動の質が最大限に高められていくことが重要な焦点と考えますと述べましたが、今回も人的資源開発について述べてみます。
営業管理者が職場の営業業績向上にために活用し得る資源である、物的資源(モノ、カネ)、人的資源(メンバーの能力、職場集団の活力・風土)、情報資源(形式情報)の関係は、投入資源が一定であれば、営業業績は人的資源のあり方で決まるという関係と言えます。
人的資源の質が高ければ、投入した資源量に比べ営業成果は大きくなり、人的資源の質が低ければ、営業成果は投入した資源量より少なくなってしまいます。
それは、モノやカネや情報を使い仕事をするのは人だからです。物的資源、情報資源の有効性は、それを活用する人の能力のあり方により決まっていきます。
現に、営業という仕事は、販売している商品や得意先が同じでも、担当者が交代すると営業業績は、良くなったり悪くなったりします。
また、ルートセールスでは、全国一のトップセールスと言われる方が、その業界の営業担当者の平均業績の2~3倍、ダイレクトセールスでは、5~10倍の営業業績を上げられていますが、まさに、営業業績は人的資源のあり方で決まるという関係と言えます。
しかし、私どもの体験ですと、会社レベルの戦略構想にも、管理者の職場マネジメントにおける構想にも業績向上の課題が中心であり、人的資源開発の具体的な課題は、意外と少ないのが現実です。
先日、あるメーカーさんの営業部門の新事業年度の基本施策を拝見しましたが、やはり、営業業績向上の課題が中心でした。
管理者による人的資源開発の目的は、メンバーの能力を最大限引き出し、伸ばすことによって、営業活動の質を最大限に高めることにより、限りある物的資源の有効活用を図り、職場目標を確実に達成していくことと考えます。
いい換えれば、営業管理者の職場目標の達成は、常に、職場とメンバーの能力に依存し、その向上を前提にしていると言えます。
その意味で、目標達成と人的資源開発は表裏一体の関係にあり、管理者のなすべきマネジメント活動の二つの重要な側面になります。
つまり、目標達成管理は、同時に人的資源開発活動であり、人的資源開発活動は、目標達成管理の一側面であるということになります。
したがって、営業業績の向上は、営業管理者の目標達成のためのトータル的な管理活動のなかに、人的資源開発活動が組み込まれ統合されてこそなされると言えます。
私どもの営業課長・所長の管理は、継続的な営業業績の向上と人的資源開発及び職場活性化の統合的実現のための、自社営業の仕組みづくりとその運用、機能化です。
御社の営業管理者の職場マネジメントは、目標達成のためのトータル的な管理活動のなかに人的資源開発活動が組み込まれ統合され、営業活動の質が最大限に高められていますか?
その仕組づくりと有効機能化はうまくいっているでしょか?
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