第23話:営業業績向上と目標管理活動

営業業績向上の目標管理活動は、管理者が組織だった仕事の進め方を確立し、組織だった方策樹立のために、部下・メンバーと共有化している状態をつくることが重要な焦点と考えます。

先日、あるメーカーの営業幹部の方にお会いした際、うちのメンバーは、計画したことが徹底して実行されていない、また、やった後の原因分析が不十分なまま、次の計画を立てる傾向があり、計画の内容が同じようなものしか出てこない、これは何が問題ですかね、という質問がありました。

この質問は、目標管理の達成管理活動になりますが、今回も管理者の目標管理活動について述べてみます。

私どもの体験ですと、設定した目標・課題の施策のトータル的な実施度は、50%程度が一般的と考えています。
 特に、期の途中や月の途中で目標達成が苦しくなると、多くの営業担当者は、目標に向かっての活動になってしまう傾向が強く見られます。
 すなわち、立てた計画を実践して目標を達成する活動が、目標達成のための数字合わせの活動になってしまうことがよくあります。

また、やった後の原因分析と問題解決行動ですが、ここは、計画の実施度よりさらに実施度が低くなります。
原因は、いろいろあります。
 例えば、人は、目標達成のために実践活動は一生懸命ですが、そのあとの原因分析や問題解決行動は、実践活動に比べ実施度が低くなる傾向があります。
 また、目標や課題を設計するときに達成基準が明確になっていないために、差異分析や原因分析がなされないこともあります。このようなケースでは、目標達成管理活動が場当たり的な活動になったり、計画的な活動にならないことがあります。

目標管理活動の在り方はすでに述べましたが、経営革新のために「組織だった仕事の進め方」を確立することであり、現状からの目標を達成するための「道筋」(業務の特定化と業務の遂行プロセス)が明らかになっていくことが必要になります。

しかし、多くの営業組織での目標管理活動は、経営革新のための「組織だった仕事の進め方」が確立しているとまではいえず、そのために、現状からの目標達成のための「道筋」が明らかになっていかない状況が案外多いといえます。
したがって、立てた計画は苦しくてもやり抜いて目標を達成しようとしなかったり、やった後の原因分析をして次の計画に生かされて行かない目標管理活動になったりしています。

今日のような経営環境下での、正しい目標管理活動の在り方は、まずは、管理者が「組織だった仕事の進め方」を確立し、組織だった方策樹立のために部下・メンバーとその共有化(納得している状況をつくる)が必要になります。
そして、設定した目標とその方策を部下・メンバーと共有化し、その達成の継続的な進捗管理を行い、組織への定着化を図ることが求められます。

正しい目標管理活動は、次のようなことが期待できます。
・経営方針、経営目標の実現化がなされる
・組織全体にマネジメント力が向上する
・業務遂行の効果的な進捗ができる
・成果の向上が進む
・上司と部下の相互信頼が増す
・評価の客観性、上下間の評価結果への納得度が増す
・適切な人事処遇が行われるようになる
・社員の能力が開発され、自律的行動が進む など

私どもの営業課長・所長の目標管理活動は、「組織だった仕事の進め方」の確立と、部下・メンバーとの共有化による、現状からの目標達成する道筋が明らかになっていくしくみづくりとその運用、機能化です。

御社の営業管理者の目標管理活動は、「組織だった仕事の進め方」の確立はいかがですか?そのしくみづくりと有効機能化はうまくいっていますか?

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