第24話:営業業績向上と組織の目的
営業業績を上げられない担当者に、決められたやり方に基づいて確実に自分の役割を果たすという「役割に対する責任意識」で仕事をする担当者がいます。
訪問活動は、立てた計画に沿って計画通りに訪問しますし、組織でやろうと決めたことは訪問先でやってきます。
帰社後の事後処理もキチンとしていますが、業績が低迷している担当者です。
今回は、「営業業績向上と組織の目的」について述べてみます。
すでに述べましたが、営業という仕事の業績は、設備や機器といったハードウェアや手続やマニアルやルールといったソフトウェアも影響を与えないわけではないですが、ギリギリのところでは担当者の意識・姿勢・態度・意欲や技術・能力といったヒューマンウェアに大きく依存しているといえます。
ヒューマンウェアの中で営業業績向上に重要なものに「責任意識」があります。
営業業績を向上する営業担当者に求められる責任意識は、単に決められたやり方に基づいて、確実に自分の役割を果たすという「役割に対する責任意識」ではなく、「目的に対する責任意識」でなければならないということがいえます。
目的に対する責任意識とは、自らが担当するエリアの経営者として、事業家として自分の仕事を遂行する姿勢です。
執行責任ではなく、結果責任をもって仕事を遂行する姿勢です。
しかし、私どもの体験では、自組織の目的が明確になっていないままで営業活動をされている営業組織が案外多いといえます。
先日あるメーカーの新人営業課長に「営業の目的は何だと考えていますか」と質問しましたところ、「売上を上げることです」と答えられました。このように答えられる営業の方が多いのが現実です。
営業の目的は、売上を上げるだけではありません。
したがって、営業管理者に求められるマネジメントには、管理者による自組織の目的の明確化があります。
自組織の目的の明確化には、「自組織の使命の定義」があります。自組織が果たすべき基本機能(基本目的)となすべき仕事(業務)領域を明言することです。
そして、全組織メンバーが、自組織の使命が分かり、その方向に向かって自主的に仕事を設計し、活動を展開したり、使命観に裏付けられた行動がなされるようになることです。さらに、組織メンバー全員が、自分たちの使命を果たすという「目的に対する責任意識」で仕事をするようになりことです。
また、使命を果たすことにより、顧客の満足を得、自分たちもやり甲斐や満足を得ることを営業活動を通して実感させることです。
人間は、誰しも人の役に立ちたいという思いをもっています。人に役立つことが自分の幸につながることを仕事を通して体験させることです。
営業業績の向上には、管理者が自らの願望と意思に基づく自組織の目的を明確化し、自組織の向かう方向に組織メンバーの価値の共有化を促進し、メンバー全員が「目的に対する責任意識」で仕事をすることが重要です。
御社の営業管理者の組織マネジメントは、自分自身の願望と意思に基づく自組織の目的の明確化はいかがですか?組織メンバーの価値の共有化はいかがですか?
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