第27話:営業業績向上とエリア開発
今年も2月になり、3月決算の会社では、ほぼ今期の結果が見えてき、一方で来期の目標・方針づくりの時期になりました。
先月、あるメーカーの経営幹部の方にお会いした際、「うちの営業管理者は、管理はしているが今一やる気がない、メンバーも一部を除けばモチベーションは高くない。
業績は、前年度比は少し超えているが、目標は達成できていない。来期は、今の現状を何んとかしたいと考えているのですが・・・」というご相談を受けました。
今回は、このような状況の企業さんの営業管理者の、エリア開発と職場マネジメントについて述べてみます。
営業管理者の職場におけるマネジメントの目的は「内外の環境変化に適応しながら、職場業績の向上と職場の健全性(メンバーの能力開発と職場の活力・風土の開発)を統合的に実現し続けていくことと考えます。
その目的を果たすためには、「仕事」「人」「職場」の3つの分野に焦点を当てて、マネジメントを実践することが大切といえますが、ややもすると「仕事をどのように進めて成果を出すか」ということに熱心に取り組む傾向があります。
また、これらの3つのマネジメントはそれぞれを切り離して実践しても、職場の中長期的な成長や健全性を期待することはできません。
仕事中心のマネジメントによって生産性を追求しているだけでは、メンバーの意欲を高めることはできないし、その成長も望めません。
人間中心のマネジメントによって、メンバーの動機づけに配慮しているだけでも成果はおぼつきません。
さらに、職場中心のマネジメントによって、個人の主体性の尊重と、個人の欲求と組織の目標を同時に満たそうとしても、生産性の追求やメンバーの動機づけが伴っていなければやはり大きな成果は期待できません。
3つのマネジメントをいっしょに(同時に)実践することこそ職場成果があらわれるものであり、営業管理者には必須であるといえます。
これらのことは、ご相談いただいた企業さんや、他の企業さんの営業管理者のマネジメント課題といえます。
ご相談いただいた企業さんでは、管理者もメンバーもやる気がないという課題があります。
よく、営業会議などで「もっとやる気をもって仕事をしてくれ」という管理者を見受けますが、そもそも「やる気はもつものではなくて、つくるものである」といわれます。メンバーは「やる気はあるが、やる気にならない」のではないでしょうか。
やる気づくりは、上司が部下の期待しているマネジメントを展開し、やる気づくりをすることと考えます。それがやってはいるが出来ていないのではと考えられます。
営業管理者に求められる職場マネジメントは、職場の3つのマネジメントを同時に行い、職場を動かすことを通して、職場の目標達成のリーダーシップを発揮することといえます。それは、職場目標達成への「見通しづけ」です。
今日のような不確実性の時代においては、目標達成への「見通しづけ」を部下に与えることができなければ、やる気も出ないし、具体的な「行動」につながりません。
そもそも人は、「見通し」の感じられないことには手をつけない傾向があります。
そして、営業管理者の管理の対象は、第一はエリアです。
今日の営業管理者に求められる職場マネジメントは、職場の目的・目標達成のために、自分自身が確信ある・メンバーが納得する「見通しづけある」エリア開発構想が描けることと考えます。
エリア開発は、営業管理者の職場マネジメントで決まる。営業業績は社内でつくる。
私どもの営業課長・所長の管理は、エリアマネジャーが将来の市場環境を予測し、見通しづけあるエリア開発構想をつくり、推進・誘導するマネジメントの仕組みづくりとその運用、機能化です。
御社のエリアマネジャーの、エリア開発の職場マネジメントはいかがですか。
その仕組みづくりと有効機能化は、上手くいっているでしょうか。
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