第28話:営業業績向上とエリア開発
前々回は、エリア開発とエリアマネジャーの役割と責任、前回はエリア開発と職場マネジメントについて述べてみましたが、今回は、営業管理者のエリア開発活動について述べてみます。
先日、あるメーカーの個別相談会で経営幹部の方が「うちの営業管理者は、力がない、市場シェアが徐々に低下してきている」ということでしたので、数名のエリアマネジャーに現状の活動内容をお伺いしました。その結果、なるほどこれでは市場シェア低下もやむなしという活動状況でしたが、お話を伺っている感じでは「エリアマネジャーは力がないのではなく、力づけをして来ていないな」と感じました。
人は、環境への適応行動の学習を通して力づけがなされますが、そのような活動をエリアマネジャーがこれまであまりやってこなかったということがいえます。
営業のエリア開発活動は、各拠点の環境に適応した、的確なエリ開発戦略の策定とその徹底した浸透活動です。
エリア開発戦略の策定は、拠点の戦略的な販売計画の立案と担当者別の戦略的な販売計画の策定であり、戦略の浸透活動は、その進度管理と組織づくり管理です。
市場は成熟期であり、顧客は個性化、多様化時代です。企業がイニシャティブをとらないと市場シェア拡大は困難な時代です。
そのためには、各拠点で的確なエリア開発戦略を策定して活動することが重要ですが、先日個別相談会でお伺いしたメーカーの営業管理者による拠点の戦略的な販売計画は、市場シェア拡大には不十分なものであるといえるものであり、その進度管理も徹底されているとはいえない状況でした。
これらの活動がキチンとなされていけば、エリアマネジャーの力もつきますし、市場シェアの向上もなされていくものと考えます。現状では、経営資源が効果的に用いられていない状態といえます。
また、成熟期のエリア開発は、革新的エリア戦略が求められます。革新的エリア戦略づくり活動は、新しいシステムの構築と職場風土の変革です。
新しいシステムの構築は、戦略ドメインの変革と戦略活動領域の変革であり、職場風土の変革は、内部システムの変革と風土の変革といえます。
すでに述べましたが、従来のエリア戦略を変革するには、今までの戦略を徹底的に洗い直し、時には現在の営業活動やマネジメントの既成概念を否定し、新しい発想に基づくシステムの構築と職場風土を変革することです。
エリア開発戦略は、特殊なことではなく知っていることも多いし、やっていることでもあります。それにもかかわらずうまくいっていない営業組織が少なくないのは、常に戦略的な発想を組み立てる仕組みがつくられていないことと継続して実行されていないからといえます。
エリア開発戦略の推進には、エリアマネジャー、営業担当者、さらには本社スタッフが目標を共通認識し、情報を共有化し、攻めの体制を構築した上で実行することです。
また、エリア開発戦略が革新的であればあるほど、実行と達成は困難になってきますのでエリアマネジャーの指導力が求められます。
今日の営業業績向上のエリア開発活動は、営業管理者による拠点の環境に適応した、的確なエリア開発戦略の策定と徹底した浸透活動により、成果を生み出すことと同時に革新的エリア戦略が確立されるかであるといえます。
私どもの営業課長・所長のエリア開発活動は、その仕組みづくりと運用、機能化の考え方と方向づけの提供です。
御社のエリアマネジャーの、エリア開発の活動はいかがですか。
その仕組みづくりと有効機能化は、上手くいっているでしょうか。
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