第35話:営業業績向上とエリア戦略
前回、営業業績向上のエリア開発は、常に、各拠点の「革新的エリア戦略の確立」が重要であること、そのためには「戦略や戦術の展開までの実行計画を策定し、その通り実践されること」、「達成管理を行いながら戦略や戦術の修正を行っていくこと」が重要な課題であることを述べました。
革新的エリア戦略の確立の次の課題は、「革新的なエリア戦略の立案」と「組織風土の変革」になります。
業績低迷の営業組織では、これらは30点くらいといえます。
今回は、エリアマネジャーがエリア戦略立案の前提としての押さえておくべき「エリア戦略の視点」についていくつか述べてみます。
各拠点の営業活動を競合他社より優位に展開していくためには、環境変化を読み、それに対応していくための「戦略」が必要になります。
エリアマネジャーには、厳しい環境下、エリア戦略立案の手腕が問われています。
しかし、私どもの体験では、「戦略とは何か」「戦略に基づく営業活動とは何か」などについて明確な方向づけが打ち出せていないエリアマネジャーは少なくありません。
エリアマネジャーは、エリア戦略立案の前提としての知っておくべきエリア戦略の視点を把握することが必要です。
エリアマネジャーがエリア戦略立案の前提として押さえておくべき視点は、「戦略とは何か」について理解し、営業活動にあてはめるとどのような意味としてとらえられるか、必要な要素は何か、などをとらえることです。
- ・「戦略とは何か」については、さまざまな概念が示されています。
これらを営業活動にあてはめると、「大局的・長期的」「環境変化への対応」「選択と集中」「競争優位」などを含んだ意味ととらえられます。
そして、エリアマネジャーが立案するエリア戦略は、「担当市場において優位な展開を図るために、経営資源の効果的な配分と活用について事前に計画し、それに基づいて新しい手段を活用・実践し成果に結びつける術である」と定義されます。
その目的は、競合企業との競争に勝つこと、顧客からより多くの支持を得ること、インプットに対して最大限の成果を上げること、などを上げることができます。
- ・革新的エリア戦略のポイントは、「未来志向性」と「革新志向性」になります。
未来志向性は、不確実性の高い環境変化の動向を読み取り「将来に見通しをつけること」、また、その見通しに基づいて職場の仕事のしくみや活動を意図的に変えていこうとすることです。
革新志向性は、新しいモノの見方・考え方あるいはやり方を積極的に創りだし、それを具体化していこうとする姿勢です。
- ・優れたエリア戦略を立案するためには、戦略の前提となる「環境分析」「戦略課題の形成」「営業目標の設定」とともに戦略実行の手段である「販売計画の立案」のプロセスを合わせて理解する必要があります。
- ・効果的なエリア戦略を立案するための基本的な考え方は、顧客・競合・自社について的確に押さえるとともに、今後の環境予測を行い、自社資源の有効活用を考えることが必要です。
- ・戦略的発想に基づく営業活動を実践するためには、戦略のキーワードである「大局的・長期的」「環境変化への対応」「選択と集中」「競争優位」を意識することです。
- ・エリア戦略の立案にあたっては、次の観点からの検討が重要となります。
- 戦略の連動性:全社・事業部・部門の方針と連動する
- 戦略の統合性:関連する部門方針を統一する
- 戦略の革新性:今後の状況を踏まえ、新しい試みをする
- 以上、エリア戦略立案の前提として押さえておくべき視点をいくつか上げてみました。
営業業績向上のエリア戦略は、エリアマネジャーが、エリア戦略立案の前提としての知っておくべき戦略の意義や戦略に基づく営業活動のアウトラインなど「エリア戦略の視点」を押さえておくことが重要となります。
御社のエリアマネジャーは、効果的なエリア戦略立案の前提としての視点は押さえられていますか?
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