第36話:営業業績向上とエリア戦略
先日、ルート営業のメーカーさんの個別相談会にて、販売計画を伺いました。
各拠点別の目標があり、それが商品別・顧客別・月別・担当者別に割り振られている販売計画でした。
質問させていただきながら、拠点別の販売計画と担当者別の販売計画の内容を説明いただきましたところ「営業戦略をもって営業活動をしているか」という点では、30点くらいの販売計画でした。
また、営業業績はここ何年も苦戦が続いておられ、何とかしたいということでした。
市場が安定成長期であるなら、このような販売計画でも営業業績は何とかなったのかもしれません。
しかし、今日のような需要よりも供給が多い過当競争時代では、このような販売計画では、営業業績の向上は難しいのではといえる内容でした。
今日の営業業績向上の販売計画は、各拠点の戦略的な販売計画の立案と担当者別の戦略的な販売計画の策定が必要となります。
今回は、エリアマネジャーがエリア戦略立案のための「エリア戦略の要件」についていくつか述べてみます。
エリアマネジャーが、実効性あるエリア戦略を立案するためには、前回の「エリア戦略の視点」の把握や今回の「エリア戦略の要件」などの理解を深めることが重要と考えます。
しかし、私どもの体験では、そのようなエリアマネジャーは案外少ないのが現実といえます。
エリアマネジャーが、エリア戦略立案のための「エリア戦略の要件」は、次のようなものになります。
- ・戦略立案の第一歩は、自組織が顧客に対して、市場に対して「提供すべき価値は何
なのか」を決めることです。
それは、顧客に対価を支払ってまで自社の製品・サービスをお買い求めいただく根
拠となるものです。
この提供する価値をビジネスの軸として、戦略を立案することです。
- ・「何を達成するための戦略なのか」という目的や目標が明確に設定されていることで
す。
設定目標は、定量目標と定性目標、対外的目標と対内的目標を設定し、それらが
戦略的に設定されていることです。
そして、それを「いつまでに」やるにか期間について明示されていることです。
とです。
そして、実行に携わる組織やメンバーの行動に結びつくような具体施策として示さ
れていることです。
また、戦略は、セグメントによって展開すべき施策は異なり、同様に製品成長
フェーズによっても実効に結びつく有効な施策のあり方は異なるということです。
さらに、各具体的施策が整合的であることです。
- ・有効なエリア戦略を立案するうえで、忘れてはならない要素が「競合」に関する視点
です。
戦略は、競合の存在や競合からのリアクションを十分念頭において立案することが
不可欠です。
競合に対する対応を考えるとき重要なことは、適切な競合の見極めを行うというこ
とです。
どこを競合として捉えるかを適正に見定めておかないと導き出される対応策が異
なってきます。
また、戦略は「競合優位性の形成」です。「競合にはない自社の強みが生かされて
いるか」という観点をもつことが重要です。
同時に、営業担当者も自分の営業目標達成のために、自ら戦略的販売計画を策定することが重要です。
御社のエリアマネジャーは、実効性あるエリア戦略立案のための「エリア戦略の要件」についてよく理解されて、エリア戦略を立案されていますか?
営業担当者は、戦略的販売計画の策定はいかかがですか?
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