第37話:営業業績向上とエリア戦略
今日の企業経営環境にあって、戦略立案のノウハウを習得することは、企業が勝ち残るために極めて重要な経営命題です。
そして、戦略について、基礎をしっかり身につけた企業人が戦略作りの担い手になることは、企業経営の基盤整備として不可欠な時代といえます。
しかし、戦略についてきちんと学ぼうとすると、なかなか難しいものがあります。
戦略については、カバーする分野が広範囲で多岐にわたることや戦略についての概念がさまざま提示されており、何を学べば戦略を立案できるようになるか分かりづらいことなど、戦略についての理解は難しいといえます。
現に、経営者や経営幹部の方、さらには戦略策定の担当者の中ですら、戦略の定義や要件を十分理解できている人は、意外と少ないのが現実ではないでしょうか。
一方、エリアマネジャーは、拠点の経営者として、会社の基本方針を前提として、拠点の環境に適応した革新的エリア戦略を立案し、その実現を推進・誘導し、継続して市場地位を向上させることが求められます。
したがって、エリアマネジャーには、エリアの適正なエリア戦略立案の手腕が問われます。
エリアマネジャーが戦略を学ぶには、まず戦略を構造的に整理し、体系化しながら理解しておくことが必要になります。
また、戦略的な思考や発想を行うための基礎を培うことが重要になります。
今回は、エリアマネジャーがエリア戦略立案のための「エリア戦略立案のプロセス」について少し述べてみます。
エリアマネジャーのエリア戦略立案のプロセスは、次の3つのステップから構成されるといえます。
- ・第1ステップは、内外のデータの分析です。
これらのデータ分析を通して、その業界における勝ちパターン(成功の鍵)を見つけだすこと、さらに、競合優位性を獲得するために自社が獲得すべきポジションや伸ばすべきポジションを明確にしていくことです。
このステップでのポイントは、事実に基づく判断を行うことと状況や課題把握をする際は、構造的理解を心掛けることです。
- ・第2ステップは、マーケット・セグメンテーションと戦略代替案の案出です。
マーケット・セグメントの決定は、事業採算に十分な大きさを持っており、かつ自社の強みが十分生かせるようなセグメンテーションを見つけ出すことです。
戦略代替案の案出は、ターゲット・セグメントをどう攻めるかという戦略案を創り出すことです。戦略案は、一つとは限らず、複数の案を出すことも必要です。
そして、複数の戦略代替案を有効性の面から評価し、採用すべき戦略案を一つに絞り込みます。
このステップでのポイントは、従来のやり方や現状の常識の中でのボトルネックをどう打破するかという問題解決志向の発想と検討に心掛けることと仮説設定と検証を繰り返し行うことです。
- ・第3ステップは、決定された戦略を実行に結びつける具体的なアクションプランを作成することです。
このステップでのポイントは、個々の組織・メンバーの現実的な動きに落とし込んでおくことです。
また、プランの中には、スケジューリングとモニタリングのしくみがきちんとセットされていることです。
さらに、戦略施策を円滑・効率的に実行するために従来の組織や規定が適切でない
場合は、それらの改善策についても戦略施策を立案する時点で立案しておくことです。
以上、エリアマネジャーのエリア戦略のプロセスについて少し述べてみました。
エリアマネジャーは、今日の営業環境下での継続的な営業業績向上のエリア戦略立
案が求められます。
そのためには、エリアマネジャーは、エリア戦略を構造的に整理し、体系化しながら理解することと戦略的な思考や発想を行うための基礎を培うことにより、有効なエリア戦略を立案することが必要となります。
御社のエリアマネジャーのエリア戦略の立案は、いかがですか?
そのしくみづくりと有効機能化はいかがですか?
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