第39話:営業業績向上とマーケティング

営業業績向上の営業活動は、常に顧客の期待水準や競合の対応水準を注意深く観察し、顧客の期待水準や競合の対応を上回り続ける」ことであり、その結果「満足な状態」の顧客が競合を「上回り続ける」ことが重要な焦点と考えます。

前回、今日の営業業績向上の営業活動は、顧客満足実現のマーケティング的活動を組織で展開し、売れる環境づくりをしていくことが重要であると述べました。

今回は、営業業績向上の営業活動と顧客満足について述べてみます。

顧客満足とは、営業により提案した商品・サービスや顧客対応の仕方によって、顧客自体のニーズが満たされ、問題解決がされた状態が顧客満足といえます。

顧客満足の状態は、「不満な状態」「満足な状態」とその中間の「どちらでもない状態」の3つに分けられます。

顧客が「不満な状態」とは、営業により提案した商品・サービスや顧客対応の仕方が顧客の期待を下回っている状態です。
 この状態は、顧客満足のための必要条件が満たされていない状態です。

顧客が「満足な状態」とは、営業により提案した商品・サービスや顧客対応の仕方が顧客の期待を上回っていて、なおかつ、競合の提案した商品・サービスや顧客対応の仕方を上回っている状態です。
 この状態は、顧客満足のための必要条件と十分条件が満たされている状態になります。

顧客が「どちらでもない状態」とは、営業により提案した商品・サービスや顧客対応の仕方が顧客の期待は上回っているが、競合の提案した商品・サービスや顧客対応の仕方を上回っているとはいえない状態です。

そして、顧客満足度が「不満な状態」では、顧客は「喪失」します(既存顧客が失われていくようになります)。

顧客満足度が「どちらでもない状態」では、顧客は「維持」です(既存顧客を一応維持できるレベルですが、しかし、どうしてもある割合では目減りしてしまいます)。

顧客満足度が「満足な状態」では、顧客は「創造」です(既存顧客での自社のシェアをアップしたり、新規顧客を確実に行うことができるレベルです)。

営業業績向上の営業活動には、「不満な状態」の顧客を「どちらでもない状態」の顧客に、「どちらでもない状態」の顧客を「満足な状態」の顧客に移行する活動が必要です。
 前者の活動を顧客の「維持活動」、後者の活動を顧客の「創造活動」といいます。

そして、このような顧客満足度の顧客状態は、顧客のほとんどが満足でも不満でもない「どちらでもない状態」にあるといえます。

今日のような競争の激しい営業環境下にあって、この「どちらでもない状態」の顧客が競合企業のターゲットになります。
 若干のプラスアルファーがあれば、顧客は競合に流れてしまいます。

したがって、顧客を維持するためには、「どちらでもない状態」の顧客を「満足な状態」にして、ライバル企業のアプローチに対する抵抗力をつけておかなければなりません。
 私どもの防衛営業の構築は、この仕組みづくりです。

好業績の営業担当者は、担当エリア内の「満足な状態」の顧客が常に競合を上回っています。競合の営業担当者からは、「あの担当者がいるうちはだめだ」と競合の担当者をあきらめさせています。
 営業組織でも同じことがいえます。

そのための営業活動は、常に、顧客の期待水準や競合の対応水準を注意深く観察する必要があります。
 そして、顧客の期待水準や競合企業の対応を「上回り続ける」ことです。

しかし、私どもの体験では、顧客の期待に応えようとする営業活動は見られても、競合の対応水準を上回ろうとする営業活動が意外と少なく、「どちらでもない状態」の顧客が多いのが実態といえます。

今日の継続的な営業業績向上の営業活動は、常に顧客の期待水準や競合の対応水準を把握し、顧客の期待水準や競合の対応を「上回り続ける」ことが重要です。

その結果、「満足な状態」の顧客が競合を常に「上回っている」ことです。
「満足な状態」の顧客の目標は、営業担当者及び営業組織で70%以上といえます。

御社の営業活動は、「満足な状態」の顧客が競合を常に上回っていますか?
そのしくみづくりと有効機能化はいかがですか?

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