第40話:営業業績向上とマーケティング
前々回は、営業業績向上の営業活動とマーケティングについて、前回は、営業業績向上の営業活動と顧客満足について述べてみました。
今回は、営業業績向上のマーケティングについて述べてみます。
我が国のマーケティングは、1950年を導入期とするのが一般的です。
導入されてからのマーケティングの考え方の変遷を見ますと、マネジリアル・マーケティング、ソーシャル・マーケティング、統合的マーケティングなどに区分出来ます。
マネジリアル・マーケティング:
マーケティングは、当初一部の担当部門や関連部門が理解し、展開すればそれでよいものとされていました。
しかし、やがてそれでは不十分で全社的・総合的に展開することが必要となってきました。ここでは、広告や価格、セールス活動、商品計画などのマーケティングの個別機能を、全体性を強調するシステム・アプローチが導入され、各活動の協調と一貫性が強く打ち出されました。
このような考え方のマーケティングがマネジリアル・マーケティングです。
マネジリアル・マーケティングは環境・市場の変化を機会ととらえ、組織の資源を効率よくマッチさせて、競合に勝つマーケティングで、「創造的価値提供」のマーケティングといえます。
ソーシャル・マーケティング:
1960年代になって、技術革新の急展開によって公害問題の発生、それに伴う社会の厳しい企業批判などと対応して、「企業は社会的責任を強く認識し、それに基づいてマーケティング諸活動を実施すべきである」という考え方が出されました。
このような社会的動向に呼応して、「苦情の防止及び処理」「正しい情報の提供」など対消費者問題に取り込む専門機関や部門が設けられました。
企業が設けている、消費者サービス室や消費者相談室もこの類のものです。
さらには、エコロジカル・マーケティングという言葉も言われるのは、公害や環境破壊の問題が発生し、生態系のことも考えないと人間自身の生存が懸念されるようになったからです。
このような考え方のマーケティングが、ソーシャル・マーケティングです。
消費者のニーズと組織メンバーに対する影響力に重点をおくマーケティングで、「共感を得る」マーケティングといえます。
統合的マーケティング:
単なる消費者・顧客のベネフィットを考える需要への対応ばかりでなく、競合への対応、社会への対応の3つの領域を統合して、マーケティング企業を実現しようとする考えのマーケティングが統合的マーケティングです。
1970年代になって、社会や市場の成熟化が進むにつれ、企業を取り巻く環境の変化が複雑・多様化の傾向を強めてきたことや、競争の激化に伴い、競合他社への対応が重要になってきました。
さらに、ソーシャル・マーケティングの進展によって高度な専門技術による市場環境への組織的対応が要請されたことが背景にあります。
マーケティング企業は、社会的にも重要であると認識され、地域にとけ込み、かつ顧
客の獲得と維持に効率よく経営資源を活用し、競争に勝ち続けることになります。
「統合的マーケティング」は、顧客満足実現のマーケティンといえます。
これらのマーケティングの考え方の変遷から、営業業績向上のマーケティングは、「
統合的マーケティング」の実践と営業マネジャーによる地域特性、競合他社動向、取引
先及び消費者の価値観などを前提とした「売れる仕組みづくりとその浸透」が重要と考
えます。
先日お伺いした企業さんの営業業績向上の「統合的マーケティング」「営業マネジャーによるマーケティング」の現状は30点くらいでした。
ちなみに、営業業績は、伸び悩み状態でした。
私どもの体験では、営業業績向上のマーケティングの状況は、企業さんにより違いますが、現状がこのような企業さん、営業組織が意外と多いのが現実です。
御社の営業業績向上のマーケティングの現状は、いかがですか?
そのしくみづくりと有効機能化は上手くいっていますか?
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