第41話:営業業績向上とマーケティング
今回は、営業業績向上のマーケティングと営業の役割について述べてみます。
マーケティングの基本的概念は、次のように考えられます。
①企業は利益を追求するが、それは企業の利己主義であってはならない。市場にとっ
ての必要性や顧客満足、社会への貢献などが企業に存続意義や根拠を与えるものと
認識する必要がある。
②「作ったものを売る」ではなく「売れるものを作る」でなければならない。そのた
めには、市場や顧客の現在ないしは将来の欲求・ニーズを的確に把握し、それに商
品やサービスを適合させる努力を、真剣に行うことが要求される。
③短期的な視点からだけではなく、長期的な視点に立って、企業の維持・発展を求め
なければならない。そのためにも顧客の満足を目指すだけでなく、広く社会への貢
献ということも考える必要がある。
④これらの考え方にもとづいて、経営活動を有効に展開するためには、組織内部の管
理運営体制を改革することも必要となる。
これらのマーケティングの基本的概念を受けて、それを企業経営の諸活動を通して具体化させるための行動原理には、「需要創造の原理」「非価格競争の原理」「流通ネットワークの原則」「科学的市場認識の原則」などがあります。
その中核的なものは、「需要創造の原理」です。
需要創造の原理とは、需要を固定的なもの、あるいは一定の限定を有しているものとは考えず、企業の働きかけによっても需要は拡大し、創造することができるという考えです。
今日の企業が、目的や目標を達成するためには、競合他社の攻略行動を克服し、より多くの市場を獲得しなければなりません。
その市場活動の優劣の中核的なものは、需要の創造といえます。
需要獲得のために、どのような価値を発見・創造・提供するかです。
その活動は、単に市場の欲求やニーズに提供する商品やサービスを適合させるという「受け身的姿勢」のみでは十分ではありません。
市場に対し能動的に働きかけて、需要を拡大・創造することが必要です。
また、企業が潜在的な欲求やニーズを探し出し、それを開発するために英知を結集し、新しい需要を創造することは、企業の成長発展性を拡大するための重要な課題です。
そして、新しい需要の創造は、新しい文化の創造、とりわけ生活文化の創造を意味します。豊かな社会の構築を目指して需要を創造することは、社会的にも意義深いことです。
など、マーケティングの基本的な考え方、姿勢について少し述べてみました。
すでに述べましたが、営業という仕事の業績は、設備や機器というハードウェア-や手続きやマニアルやルールといったソフトウェア-も影響を与えないわけではないですが、ギリギリのところでは、営業担当者の意識、姿勢、態度、意欲や技術、能力といったヒューマンウェアーに大きく依存しているところがあるといえます。
したがって、営業業績向上のマーケティングは、営業マネジャー及び営業担当者がマーケティングの基本的な考え方、姿勢への理解を深め、自組織の役割は何かを明確にし、共有化しその役割を果たすことに強い責任意識をもって活動することが重要になります。
私どもの体験では、営業の役割は何ですかの問いに、「売り上げを上げること」「目標を達成すること」と答える営業担当が意外と多いのが現実といえます。
これは、営業の役割を明確にしないまま、活動をしているといえます。
継続的な営業業績の向上には、自組織の営業の役割を明確にし、役割意識に裏打ちされた活動をすることが重要になります。
御社の営業組織では、マーケティングの基本的な考え方、姿勢への理解を深め、営業の役割の明確化とその役割を果たすという責任意識での活動はいかがですか?
その仕組みづくりと有効機能化は上手くいっています?
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