第42話:営業業績向上と営業組織の重要要素
今月から令和の時代になりましたが、最初の営業業績向上の視点として、営業業績向
上のための営業組織の重要要素について述べてみます。
私どもでは、営業組織の営業業績向上の重要要素として次の点を挙げています。
①価値観・・・組織のメンバーが、仕事で必要な判断をするとき、組織としての価値
前提となるものが明確化されており、それが組織メンバーに共有化さ
れ、浸透している。
②知識力・・・営業活動に必要な知識力がある。
③技術力・・・営業活動に必要な技術力がある。
④実践力・・・設定された目標や策定された計画の実践力がある。
⑤問題解決行動・・・問題解決行動が徹底されている。
⑥戦略的思考・・・エリア戦略成功のための戦略的思考が出来ている。
などです。
これらの要素の状況は、営業組織、営業担当者個々人により違いますが、業績が伸び悩んでいる営業組織の状況は、次のよう状況といえます。
価値観については、組織の価値前提となるものが明確化されていなかったり、共有化されていないことが多く、そのために組織メンバーの価値観がバラバラな状態といえ、5点法で評価しますと「3点」くらいといえます。
営業活動に必要な知識力については、営業業績が低迷している営業担当者でも、営業のやり方などの知識はあるといえます。評価点は「4点」くらいはあります。上司・先輩のOJTは行われているといえます。
営業活動に必要な技術力については、個人差はありますが、販売の仕方など、総じて低くなく、評価点は「4点」くらいといえます。
実践力については、設定された目標や策定された販売計画、行動計画の実施度は、テーマ目標により差はありますが、総合すると50%くらいです。したがって、評価点は「3点」くらいで、思ったより高くありません。知っていることや思っていることがやってはいるが、十分行われているわけではないということがいえます。
問題解決行動については、その徹底度は高いとはいえない営業組織が多いといえます。特に、やった後の問題解決行動は高いとはいえず、評価点は「2点」くらいです。
そして、戦略的思考については、「戦略に基づく営業活動は何か」などについて明確な方向づけが打ち出されていない営業組織が少なくなく、評価点はやはり「2点」くらいといえます。
営業業績向上の重要要素が、このような状況ですと、今日のような営業環境下での営業業績は伸び悩むということです。
エリアマネジャーが担当エリアの営業業績を継続的に向上するためには、現状の営業組織の重要要素を、同じレベルの高さに引き上げることと、そのレベルが担当エリアの環境に適応できるレベルにすることが条件と考えます。
そして、これらの営業組織の重要要素の状況は、エリアマネジャーのマネジメント次第といえます。
エリアマネジャーは、地域をベースにして拠点を経営する立場です。そのエリアでの業績が上がるかどうかの成功のカギはエリアマネジャーが握っているといえます。
エリアマネジャーに求められることは、エリアのマネジメントを過去の経験と勘に基づいて(実務的)行うのではなく、エリマネジメントに必要な理論を身につけたうえで行わなければ成果には直結しないということです。
しかも、この理論を担当するエリアの中で実践的に生かし切るには、理屈を知っているだけでは通用しないということです。理論は「あるべき姿」であり、実態ではないからです。
したがって、理論と実態との間には、かなりのギャップがあります。よく、「理論どうりいけばこんな簡単なことはないよ」という発言もありますが、しかし、いかに理論に近づけていくかという努力があるからこそ、前進がるといえます。
エリアマネジャーにとって大切なことは、「理論どうりやる」という姿勢を崩さないことです。
理論(あるべき姿)を身につけ、理論に近づけるために「どうすればよいか」という課題に絶えず挑戦することこそがエリアマネジャーの基本的姿勢といえます。
御社の営業組織での、営業業績向上の重要要素の状況は、いかがですか?
その仕組みづくりと有効機能化は上手くいっているでしょうか?
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