第99話:営業業績向上と営業担当者管理
営業マネジャーには達成過程管理、すなわちプロセス管理を行っていくことが求められるわけですが、実際の営業活動を行うのは部下の営業担当者です。
そこで、プロセス管理の中心に位置づけられるのも営業担当者管理になります。
今回は、営業業績向上と営業担当者管理について述べてみます。
1)営業担当者管理の目的
営業担当者管理の究極の目的は、もちろん売上や利益をより多く上げることですが、営業担当者管理の直接的な目的は、営業活動の効果性と効率性を高めることにあります。
営業マネジャーには、部下の営業担当者が複数います。営業担当者によって、1日当たり15件訪問活動したり、1日3件であったり、また、新規開拓ばかりに注力している営業担当者と既存顧客の深耕開拓ばかりの営業担当者というように、各営業担当者が勝って気ままに営業活動をしている状態では、組織としての効果性、効率性は著しく低下します。
組織全体がある程度同一の方向性、行動の基準をもって活動することが必要です。そうすることで組織のシナジーも高まるのです。
2)営業担当者管理
(1)営業担当者管理に必要な数字
営業マネジャーは、いつも営業担当者と同行するわけではありません。そこで違った見方をすれば、営業担当者は結果としての数字さえ上げていれば、どこでどのような行動をとろうが構わないということになります。
そこで、営業マネジャーは、営業担当者に対して営業活動の指針を与えることが必要となります。そして、この営業活動の指針は営業担当者管理における1つの基準値になります。
例えば、週当たりの訪問件数、これも営業活動の指針となります。この訪問件数が適正に設定出来れば、各営業担当者は、この件数をキチンと訪問できるように週の訪問計画を策定していけばよいのです。そして、営業マネジャーは、部下の営業担当者が計画通り訪問件数をクリアーしているかを検証する、すなわちプロセス管理を行えばよいのです。このように営業担当者管理の基本は数字をもとにして行うことです。
(2)訪問活動管理と商談管理
営業マネジメントにおける営業担当者管理は、訪問活動管理と商談管理が中心となります。
まず、訪問活動管理のポイントですが、第一に基準値を設定することが必要です。次に、これらの基準値を各営業担当者に適応していくわけですが、この基準値は一律に適応してはなりません。
テリトリーの地域的な広がりや担当顧客によって訪問頻度、件数、時間は多少の修正が必要となります。それらを考慮し、各担当者との基準値を話し合って設定することが必要です。
各営業担当者ごとの基準値が設定できたならば、営業担当者自身に訪問計画を立案させます。そして、営業マネジャーは、計画内容の検証、調整を行います。
営業マネジャーは、訪問件数といった量的な確保だけでなく、商談内容の質についても目を向ける必要があります。
営業マネジャーは部下の営業担当者が、今どういった商談展開を行っていて、成約の見込みがどの程度なのか、克服すべき阻害点には何があって他者の応援が必要なのか、というような商談内容についても、概略を理解しておくことが必要です
しかし、商談のプロセスや商談の内容は、顧客によってことなります。担当する顧客の業種・業態、ニーズが違えばそれによって商談のプロセスや内容が異なってくるからです。
したがって、顧客のニーズと購買心理を踏まえながら、管理できるように商談のプロセスの内容について、事前に部下の営業担当者と話し合っておく必要があります。
つまり、管理するということは、事後の作業ではなく、管理の質はその前の工程において決まるのです。
御社の営業職場の営業担当者管理はいかがですか。
そのしくみづくりと運用・機能化はいかがでしょうか
最後までお読みいただきありがといございました。
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