第46話:営業業績向上と戦略と戦略的発想
今日の営業マネジャーのマネジメントは、より高い成果を上げる目標達成(可能性への挑戦)のマネジメントと環境変化を先取りし、事業基礎の充実、事業機会の開発を図るための機会開発のマネジメントを実践していくことが必要です。
つまり、営業マネジャーも経営トップの視点での事業レベルのマネジメントが求められています。
前回と前々回で、営業マネジャーのマネジメントで重要なファクターである「ナレッジ」「想いと構想」について述べてみましたが、今回は、「戦略と戦略的発想」について述べてみます。
今日のように先行き不透明な時代には、「想いと構想」によって組織をガイドすることが必要です。しかし、今日の厳しい環境を勝ち抜いていくためには、それで十分というわけではありません。
競合他社との競争に勝つための方策、つまり「戦略」も必要となります。
戦略とは、競合優位性を活用して、目標を達成しうる整合的な施策群のまとまりといえます。
構想実現のためには、メンバーが「これならいける!」と信じて行動していくための具体的な施策を提示することが重要です。
明確な戦略の提示は、メンバーを仕事へ動機づけることになります。
私どもの体験では、好業績の営業組織では、メンバーが「これならいける!」という構想実現のための明確な戦略の提示がなされ、メンバーを仕事への動機づけがなされています。
いまや、戦略は営業マネジャーがマネジメントを展開する上で重要なファクターとなっており、営業マネジャーには戦略的発想が不可欠となっています。
好業績の営業組織の戦略的発想で、最も重視されているものは「差別化」の戦略です。
今日は、顧客による価値づけ、意味づけという厳しい選択にさらされている状況の中で、他社よりも優れた価値、他社で得ることのできない独自の価値を顧客に提供していかなければなりません。
そのためには、常に「現状の方法でいいのか」と自からを問い続けることにより、絶えざる変革を図っていくことが求められます。
また、他社を見てどうのこうのというのは「他」との差別化です。しかし、他社との相対の世界における差別化といったレベルでは、自社の商品・サービスは周りの個性的なもののなかに埋没しがちです。
他社では得ることのできない価値を実現することを「自己差別化」といます。
今日の営業業績の向上は、他社とは本質的に異なった個性的なもの、自己差異化のあるものを追求していくことが重要です。
さらに、自己差異化の「差別化」戦略よって、自社に有利な環境を創造していくこと重要です。
今日のような市場が成熟期にあって、その環境に対応していくのか、それを1つのチャンスととらえ、環境を創造していくかで将来は大きく左右されることになります。
環境に対応しているだけでは、環境に自社の資源を合わせたムリのない戦略を立案しがちです。しかし、これは対症療法的であり、状況に振られ流される後手のマネジメントになってしまいます。
成熟期を認識したならば、従来の成功のカギに関する考え方、先入観を捨てることによって、新たな戦略をつくり上げることが重要です。
そして、戦略的発想で将来のあり方を検討することが大切です。
御社の営業マネジャーの、マネジメントはいかがですか?
そのしくみづくりと有効機能化は、上手くいっているでしょうか?
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