第49話:営業業績向上とマネジャーの役割
営業各組織の営業業績の向上は、マネジャーのマネジメントの仕方と行動のあり方によって決まるといっても過言ではないと考えています。
今回は、営業業績向上のマネジャーの役割について述べてみます。
会社は目的集団であり、その目的を実現するためのマネジャーに期待されるものは、「職場の成果の創出」と「職場の健全性の維持」といえます。
営業職場の成果は、「売上の達成」「利益の確保」「業務の改善・改革」「組織・メンバーの着実な成長」などがあります。
健全な職場とは、「メンバーが生き生きと前向きに仕事に取り組む」「職場内で率直な議論が交わされる」「上司、同僚、部下の階層を超えて、お互いに協力し合う」などが挙げられます。
そして、これらの期待に応えるマネジャーのマネジメントの今日的役割には、「マネジメントの基本的な役割」と「変化促進のための役割」の2つが求められます。
マネジメントの基本的な役割の
「主要機能」は、上層部の目標や方針に基づき、職場任務を確実に遂行すること(任務遂行者)、
「働きかけの対象」は、目標達成のために部下に働きかけること、上下、他部門との間に問題生じた場合には、相互の関係が悪化しないように配慮しながら、うまく調整を図ること、
「マネジメントの焦点」は、計画やルールに基づいた業務の遂行を行うための第一線の統制・管理を行うことであり、目標達成に向けて、メンバーが働きやすい仕事環境の整備をすること、
などです。
しかし、今日のように環境が構造的に変化している時代には、このような基本的な役割のみを遂行しているだけでは、組織の成果を十分上げることは困難といえます。
それどころか、マネジャー自身が変革の芽をつむことにもなりかねません。
今日のマネジャーのマネジメントには、基本的な役割だけではなく、変革行動の実行力や長期の適応力を現場に育んでいくために、変革促進の役割が求められます。
変革促進の役割の
「主要機能」は、職場の水準を高め、より効率性の高い状態にするため、仕事の質、職場の働きを変革すること(現状改革者)、
「働きかけの対象」は、トップのビジョンを受け止めるとともに、現場の実態を踏まえ自らの視点から、自職場としての向かうべきビジョンをつくり出し、その実現のために上司、他部門、社外の関係者に働きかけること、
「マネジメントの焦点」は、自らつくった自職場のビジョンに基づいた自職場としての向かうべき目標・方針をメンバーに訴え、ベクトルを合わせるとともに、周囲の協力を得るための状況をつくり上げる一方、メンバーや関係者が納得して働くことのできる状況をつくり上げることで、職場革新・業務革新を促進させること、
などです。
今日のマネジャーは、一方ではマネジメントの基本的な役割をこなしながら、他方では性質の異なる変革を促進しなければなりません。
一見、矛盾するようにも見える2つの役割を求められています。
私どもの体験では、極めて業績が低迷している営業組織では、マネジャーがマネジメントそのものをしていないといえる状況であったり、業績が伸び悩んでいる営業組織やさらには業績が好調な営業組織でも、基本的な役割遂行型のマネジャーが多く、変革促進ための役割が遂行されているマネジャーは少ないのが現実であり、将来への革新が並行して進められていないマネジャーが多いといえます。
私どもの「営業課長・所長の管理のしくみづくりから運用、機能化まで」のマネジャ
ーの役割は、基本的な役割と変革促進の役割の両立型です。
御社の各営業組織のマネジャーのマネジメントの役割はいかがですか?
そのしくみづくりと有効機能化は、上手くいっているでしょうか?
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