第51話:営業業績向上と職場構造づくり
すでに述べましたが、営業マネジャーの職場構造づくりは、「職場の成果を最大化する態勢を整えること」です。
職場もスポーツの世界と同じように、いくら職場に一流の部下がそろっていても動きがバラバラであれば、職場の成果に結びつきません。
まして、十分な人材に恵まれていない職場なら、成果の出る確率はなおさら下がります。
職場の成果を最大化する態勢は、職場に力が結集できる状況が生まれたときです。
営業マネジャーは、部下一人ひとりの努力が職場の成果に最大限結びつくような態勢を考え、準備しなければなりません。
職場構造づくりは、大きくは分業設計と職務割当、目標設定と目標連鎖から成り、最終的には職場における人と仕事の最適な関係をつくることを目指しています。
前回は営業マネジャーの「分業設計と職務割当」について述べてみましたので、今回は「目標設定と目標連鎖」について述べてみます。
分業設計と担当者の決定によって職務割当が完了すれば、職場の部下一人ひとりが担う役割が決定したことになります。しかし、この段階では、それぞれの担当が決まったにすぎません。
職場の目標を達成するには、部下一人ひとりがそれぞれの目標を掲げ、その達成に邁進しなければなりません。
営業マネジャーの目標設定は、個々の部下の目標達成が職場全体、さらには組織全体の成果につながるような目標の体系(目標の連鎖)を職場内に構築しなければなりません。
営業マネジャーが有効な目標連鎖を構築するためのポイントは、営業マネジャー自身が行う職場課題の形成と職場目標の設定にあります。
なぜなら、それが部下の目標設定のよりどころであるからです。
営業マネジャーが職場課題の形成と職場目標の設定を行う際に留意すべき点は、次の2点です。
- ①上位組織の目標に合致していること
営業マネジャーの職場課題と職場目標が上位組織の目標に合致し、かつ部下の目標が営業マネジャーの職場課題、職場目標に合致していれば、個々の部下の目標達成が組織全体の成果に寄与するはずです。
- ②組織全体や職場の中長期方針を踏まえていること
毎期の上位目標に貢献するだけでは、職場活動が短期志向に陥ってしまいます。組織全体の中長期方針や職場の外部環境変化への適応という観点から、営業マネジャーが掲げる職場の中長期方針も踏まえた職場課題の形成と職場目標の設定が望まれます。
そして、営業マネジャーは、職場課題と職場目標を職場全体で共有した上で、個々の部下の目標設定を支援します。
そうすることで、組織全体の目標から個人目標まで、また、職場の中長期方針から個人目標までが連鎖することによって、個々の部下の目標達成努力が組織全体の成果につながることになります。
また、今日のような顧客の要望の多様化や競争の激化、技術の急激な進度など変化の激しい環境に職場を適応させていくには、自己統制型のマネジメントが適していると考えられます。
自己統制型のマネジメントにおいて最も留意すべきは、部下の高度な自律職務態度をいかに引き出すかという点です。
変化に適応するために部下一人ひとり創意工夫が求められるとき、トップダウンの職務割当や目標の割り付けはなじみません。
職場課題や職場目標が「押し付けられたもの」や「人ごと」ではなく「共感できるもの」「自分ごと」になったとき、仕事に対する部下のモチベーションは高まるといえます。
高いモチベーションなくして、高度な自律的態度も創意工夫も望むことは出来ません。
そのためには、職場の中長期方針や職場課題や職場目標の設定など、最後はマネジャーが意思決定すべき事項であっても、検討プロセスに部下を参画させることが必要といえます。
以上、職場構造づくりの「目標設定と目標連鎖」について少し述べてみました。
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