第105話:営業業績向上とメンバーの動機づけと学習意欲
2025年明けましておめでとうございます。
今年も営業職場の「営業業績向上の視点」をお届けしてまいります。「職場が常にステージアップして、継続的に営業業績が向上する営業マネジャーの管理」の一助にしていただければ幸いです。
今回は、職場メンバー個々人の学習能力を高める営業マネジャーの動機づけと学習意欲について述べてみます。
1)2つの異なる動機づけ
一般に、「行動を引き起こし、その行動を持続させ、さらにそれを一定の方向に導いていくプロセスの全体」を動機づけといいます。この動機づけには「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」という2つがありますが、学習意欲との関連では、内発的動機づけがより重要だといえます。
(1)外発的動機づけ
人は何らかの目標をもつとき、人の行動は、その目標達成に向けて継続的に方向づけられます。「動機づけ」とは、こうした目標に向け行動を引き起こし、完遂に至るまでその行動を持続させる「心的エネルギー」を表す概念です。
目標を達成するには、その前提として「能力」が必要です。しかし。その能力を行動に結びつける動機づけがなければ、行動は起こりません。
こうした動機を生み出す誘因が「賞や罰」のように外部から与えられる場合に、「外発的動機づけ」と呼ばれます。
(2)内発的動機づけ
人は外部からの報酬が何もなくても、自らの内から起こる欲求や要求によって行動します。例えば、好奇心や知的興味によって起ころ行動、あるいは環境の中で、自分自身の存在を自己確認するために何かを成し遂げたいという想いから起こる行動です。
このように、外部から報酬がなく、内的な欲求や要求によって動機が生ずる場合を「内発的動機づけ」といいます。内発的動機づけの状態では、外部の報酬ではなく、行動することそれ自体が目標となります。
(3)達成動機づけ
人は、本来、新しい情報や知識を求めよう、疑問や好奇心を解消しようとする積極的な傾向を持っています。言い換えれば、積極的な行動の主体であり、またそうした行動を引き起こすのが内発的動機なのです。この内発的動のなかでも、仕事意欲や学習意欲との関係で、特に重要になるのが達成動機です。
達成動機とは、成功しようとか、困難を克服して仕事を成し遂げようとする動機であり、人の内側から生ずる内発的動機です。この達成動機の高い人の特性としては、以下のようなものが上げられます。
①上手く成し遂げるとはについての関心が高い。
②長期的な目標を設定し、たゆまず努力する。
③自分が努力することで到達可能な現実的な目標を設定する。
④責任感と自律心が強い。
⑤改良・改善・発明といった創造的活動への関心が高い。
2)メンバーの学習意欲
職場メンバーの学習意欲とは、達成動機を中心とする内発的動機によって引き起こされるものです。自分自身の能力やキャリアを開発し、組織人としての自己像をつくりあげていこうとする積極的で能動的な意欲と態度だといえます。
学習意欲の核は、達成動機であるといえますが、達成動機や好奇動機などを包み込んだより広い捉え方に「自己効力感」という考え方があります。これは、「環境に積極的に働きかけ、自分にとって効果的な変化を生じさせようとする能力、その際に感じられる満足感、およびそれをさらに求めていこうとする傾向」を意味しています。学習意欲のベースには、こうした自己効力感が存在しているといえます。
御社の営業職場のメンバーの学習能力を高める管理はいかがですか。
そのしくみづくりと運用・機能化はいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがといございました。
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