第89話:営業業績向上と創造性について
すでに、創造活動は、人間が行う多くの活動の中で最も貴重な知的活動であり、それは知識・経験を加工・変換して、これまでにない新しい価値を生み出していく活動ということができます。
そして、創造性とは、創造力という知識・技術を加工・変換して、これまでにない新しい価値を生み出す力と創造的パーソナリティー(困難に粘り強く耐え、創造の行為・
活動を支えていく性質・性向などで、前向きな態度、姿勢、もののとらえ方)を合わせた総合的なもので、人間の持つ多様な性質や能力・行為・行動のうち特に新しいものを考えたり、つくり出したり、実現したりする性質や能力であるとされています。と述べさせていただきました。
今回は、営業業績向上と創造性について述べてみます。
<創造力のつくり出すもの>
営業職場での問題解決のステップに創造性という観点を加えると創造力のつくり出すものは、「認識の創造」「目的の創造」「手段の創造」による「新しい価値」になります。
創造の過程では様々なタイプの思考を必要とします。そして、そのいずれもが新しい
価値を生み出すという一貫したロジックで貫かれている必要があります。
その過程での分析も、推測も、判断も、直観も、評価もすべては当面する課題の創造的アウトプットに向けて展開されます。
一般に創造思考とは、アイディア発想(手段の創造)のように考えられ、アイディア
だけに新しさやオリジナリティーが必要であるかのように思われがちですが、これに先
立つ新しい認識や意味ある目的をつくり出す部分にも新しさやオリジナリティーは欠か
せません。
<創造と想像>
創造活動には想像が不可欠です。新たな物事を生み出す中心部分は「考える」(論理
的思考)に支えられています。内部情報を顕在化させ、自由に加工(分解・結合)し
ていくプロセスは頭の中で行われており、これは想像(イメージ思考)に支えられて
います。創造力とは、「イメージ思考」+「論理的思考」といえ、目的に合わせて「イ
メージ思考」中心か「論理的思考」中心か使い分けます。
想像の種類には次のようなものがあります。
再生的想像(学ぶ力)
既知の知識・経験をそのまま思い出すこと(知っていることをそのまま使う)
推測(狭義の想像)
既知の知識・経験の延長線上で物事を推し量ること
空想
現実からかけ離れた想いをかけめぐらし、本人自身もコントロールできない場合
もある
創造的想像(考える力)
目的に向けて想いをコントロールしながら、新たな物事を生み出すこと
<創造的思考活動>
人間は、発生するさまざまな問題に、次の思考法で対応しています。データー中心に考える帰納的思考法、仮説からスタートする演繹的思考法、そしてアイディアやヒラメキの飛躍論理的思考法です。特に、創造的思考が求められる演繹的思考法は、ますます必要とされる思考法です。
創造思考と活動
①発散と収束―問題の本質と、それに及ぼしている影響(原因)について、既成概念や常識や慣行に縛られず自由に思考を発散させ分析してみる。次に発散させるだけ発散させたアイディアについて共通項でくくって収束を試み検討を加える。
②集中と熟成―発散と収束の活動を何度も繰り返し、問題の本質に及ぼしている影響を混同しないように、アイディアの質を熟成させるとともに、問題の本質がぶれないように、活動と問題の本質に向け集中させる。
③飛躍とひらめき―あるパラダイムで思考が行き詰まったら、パラダイムを転換するため、座標軸を飛躍させて、発散と収束、集中と熟成活動を行ってみる。そのような多角的で多様な思考を組み合わせ駆使することでひらめきが生まれる。
御社の営業職場の創造性はいかがですか。
そのしくみづくりから運用、機能化への取り組みはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき有難うございました。
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