第88話:営業業績向上と問題の発見

営業業績向上の問題発見は、問題を認識する側の問題意識が大切です。また、問題発見のヒントは、「問題意識の高い人間になる」「問題発見のツールを用意する」「現象レベルの探索」「部下や職場全体の問題発見力の向上策」などが考えられます。

営業職場での営業業績向上のマネジメントは、「マネジメント・サイクルをうまく循環させること」といえますが、そのプロセスは問題解決のプロセスであるといえます。
また、営業業績向上の日常活動は、問題解決行動の連続であるといえます。

今回は、営業業績向上と問題の発見について述べてみます。

問題をとらえる際の最大のポイントは、対象としての問題の側にあるのではなく、問題を認識する側にあるということです。
 つまり、存在している問題の内容は、問題それ自体で決められるのではなく、問題を認識する側の問題発見の意欲や感性・能力により決定されるということです。いわば、問題のないこと自体最大の問題であるということです。

そこで、大切なのは、問題を認識する側の「問題意識」です。
問題意識とは、現状に満足せず、常により良い状態を追求する姿勢であり感受性であるといえます。このような意識が旺盛であればあるほど、常に「あるべき状態」を心に描くことができ、現状とのギャップに気づくことになります。

また、「問題意識の高い人」「問題発見が出来ない人」はどのような人であるかを見てみると、問題意識があるかないかは、その人の単なる一部の能力(例えば思考力)だけの問題ではなく、思考力的なものから性格や態度まで含めた、いわば全人格的なものだと考えられています。

<問題発見のためのヒント>

1)問題の発見は、その人の部分的な能力ではなく、むしろ心の敏感さとか感受性とかを含めた全人格的なものが大きくかかわっているという意味では、問題発見の力をつけるには「問題意識の高い人間」になる努力をすることが第一に求められることになるといえます。

2)問題発見のためのヒントの第2は、自分なりの問題発見のツール(道具、用具)を用意することです。
問題とは、あるべき状態なり目標なり、何らかの基準からの逸脱であるから自分なりにそのような意味での基準をしっかり持っていることが問題発見のベースになります。

3)問題発見のためのヒントの第3は、現象レベルでのサーチ(探索)・ポイントです。
例えば
(1)その仕事が基本方針やルールに従って実施されているか
(2)その仕事の目標は達成されようとしているかどうか
(3)職場環境は、予定どうり維持、手入れされているか
(4)社内他部門から自職場がどう評価されているか
(5)社外における自社及び自社の製品、サービスに対する評判、意見、批判
など

4)問題発見のためのヒントの第4は、部下や職場全体の問題発見力の向上策につ
いてです。
 簡単に言えば、上記の1)~3)までのヒントが部下自身の実践につながるように、日常の指導を行うことであるということができます。

それ以外に営業課長・所長としては、部下への情報の提供や方針・計画設定などに部下を参画させることです。部下はこのような機会を通じて営業課長・所長と同様の視野・問題意識に立つことができるようになり、部下がいわば営業課長・所長の分身として問題発見に取り組むことができるからです。
 問題発見は決して、営業課長・所長が独り占めにするのではなく、職場の全員が積極的に行うようになってこそ、職場の活性化ももたらされるのであるといえます。

御社の営業職場の問題の発見はいかがですか。
そのしくみづくりから運用、機能化への取り組みはいかがでしょうか。
 
最後までお読みいただき有難うございました。

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