第66話:営業業績向上と目標の細分化及びその目標管理

営業業績向上は、販売計画の立案で目標達成の方策を検討する際、目標達成の具体策を検討するために「目標の細分化」と「要素ごとの施策」、設定した目標の管理に「目標による管理」「プロセスによる管理」を行うことが重要な焦点と考えます。

営業の重要課題の1つである「精度の高い販売計画の立案」のポイントには、前回述べた4点の他に「目標の細分化」があります。
今回は、営業業績の向上と目標の細分化及びその設定した目標管理について述べてみます。

営業課長・所長が自組織の目標達成の方策を検討する場合、自組織の目標達成を検討すると抽象的なものになってしまい、具体策が立てにくくなってしまいます。
自組織の目標達成に向けた具体策を検討するためには、自組織の目標を、商品群、地域、チャネル、顧客、季節などの要素により細分化することが望まれます。

そして、細分化した要素ごとに具体的な施策を検討し実行することで、より効果的な自組織の目標を達成することが出来るといえます。

ここでは、商品群別と地域別の目標細分化について触れてみます。
 (1)商品群の目標細分化
 ①売上金額を基にABC分析をし、商品群別に主力アイテムを絞ります。
 ②商品群別単位で売れ筋商品と死筋商品を見極めます。
 ③商品群の売上構成を検討し、特に重要な商品群については強化アイテムを絞り込
  みます。
 ④商品群単位での目標を設定します。

(2)地域別の目標細分化
 地域ごとに目標を細分化して設定する場合は、その地域の客観的需要規模に合せた目標設定が必要です。
客観的な指標がないと恣意的な目標設定となり、営業担当者の不満がでやすい、納得が得られない結果となってしまうことが考えられます。
自社の代表的な指標を基に地域の需要を指標化し、地域ごとの目標を設定します。

次に、営業担当者が設定した目標達成に意欲を持ち続け、それを実績に結びつけていく営業課長・所長としての管理について2つ触れてみます。
 (1)目標による管理
 目標設定を行って営業目標を管理するのが「目標による管理」です。
一言でいえば「組織で働く人々の個人的欲求の充足と組織目標の達成との統合を図る」ことを目指した管理といえます。

これによって営業担当者が目的意識を持って目標達成にまい進することで、働きがいを感じ、その結果が組織の目標達成につながるという状態をつくり出します。

従って、「目標による管理」では、個々人の主体性を重視しています。また、個々 人の仕事を全体目的に向けて効果的に結集するための管理の在り方を示します。
その基礎となる考え方は、仕事のプロセスよりその成果を重視することであり、他からの強制ではなく本人の自己統制を尊重することにあります。

(2)プロセスによる管理
 営業では目標を管理するとき、売上高・利益額(率)・回収率・返品率・新規開拓達成率など、数字で状況を把握することが一般的です。

しかし、数字による管理の弊害は、努力しても数字に手が届かなかったとき、 あるいは期中においてギャップがあまりにも大きくなりすぎたときは、営業担当者のやる気が一気に失われてしまうということにあります。

そこで、営業結果として出てくる数字のみをとらえるのではなく、そこまでのデータの数字をとらえる管理が「プロセスによる管理」です。
 管理の方法としては、月々のデータを時系列でとらえ、その推移をグラフに記し営業担当者ごとに営業活動の軌跡の変化を追うようにします。どちらかというと、すぐには成果に出にくい法人営業や新規開拓営業に向いているといえます。

実績重視あるいはプロセス重視のいずれをとるにしろ、目標設定の際に営業担当者を参画させ、その成果を正しく評価することが営業課長・所長には求められます。

御社の営業課長・所長の販売計画時の目標の細分化と要素ごとの施策及び設定した目標の管理はいかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?

私どもの「営業課長・所長の管理、そのしくみづくりから運用・機能化まで」の販売計画時の目標の細分化及びその目標管理は、上述のような考え方に対応しています。

最後までお読みいただき有難うございました。

「営業業績向上の視点」の更新をお知らせします!

メールマガジン登録を頂きますと「営業業績向上の視点」の更新時にお知らせメールをお届けします。
最新号をお見逃しされないために是非ご登録ください。