第65話:営業業績向上と販売計画の立案
前回は、営業の生産性という観点から主な問題点と主たる課題を挙げてみましたが、今回は、その中の重要課題の1つである「営業業績の向上と販売計画の立案」について述べてみます。
営業課長・所長が限りある経営資源を有効に使い、成果を出すためには、最も成果が期待できるポイントを絞り込んで重点的に投入する必要があります。そのためには、営業戦略と連動した精度の高い販売計画を立案することが重要になります。
精度の高い販売計画を立案するポイントは次のようなものです。
- 1)利益計画から導かれる妥当性の高い売上目標の設定
営業の目的は、「顧客創造による利益の最大化」にあります。この利益の最大化を具現化したものが目標利益です。この目標利益を達成するために売上げを追っかけていくことになります。営業の視点は、利益の獲得にありますから、最初に目標利益の設定から入ります。
経済全体が右肩上がりの時代や事業・主力商品が成長期であれば、売り上げの伸びとともに利益は上がっていきますが、ほとんどの市場が成熟期にある状況では、「目標利益=売上-許容経費」という考えが優先になります。
そして、営業課長・所長が利益計画から導かれる妥当性の高い目標売上高の算出には、損益分岐点公式からの算出方法が考えられます。
- 2)売上予測に基づいた販売可能量の算出
売上予測(販売予測)は、将来の一定期間における販売可能量(数量、金額)を予測することであり、営業を組み立てる上で欠かせないものです。
売上予測の最も簡単な方法は、業界団体、シンクタンク、官庁などが出している需要予測に自社の現在の市場シェアを乗じる方法です。しかし、この方法は企業全体の売上予測には適していますが、支店・営業所・営業課といった営業拠点レベルでは、実務的とはいえません。
営業課長・所長に必要な営業拠点レベルの予測には、次の2つの方法を適宜組み合わせて行うことになります。
(1)数学的分析方法・・・傾向変動分析や相関回帰分析など
(2)積み上げによる方法・・・顧客や営業マネジャー・担当者の主観的な判断(経験や勘)から予測する方法
- 3)売上目標と販売可能量の差(ギャップ)に基づいた営業方針
売上予測に基づき販売可能量を算出することで、目標売上高とのギャップ(営業が努力する量)が抽出されます。このギャップの大きさで営業方針を決定します。
ギャップがきわめて小さい場合は、営業担当者の士気を鼓吹することで目標を達成することは可能です。しかし、ギャップが大きくなると営業担当者の士気だけではいかんともしがたい状況になります。既存顧客の深耕拡大や新規開拓を企てなければなりません。
- 4)ギャップを埋めるための重点顧客(エリア)の設定
営業方針が決まったならば、次にギャップをカバーするための重点顧客を設定します。
(1)既存顧客の深耕拡大の場合には、購買規模・インストアシェア・顧客の成長性・協力度などの視点から重点顧客を設定します。
(2)新規開拓の重点顧客の設定は、見込み判定基準による見込み客の見込み度から選定します。
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