第82話:営業業績向上とロングセラー

営業業績向上のロングセラーをつくる営業活動は、顧客の側に立って売り方を研究する、商品開発や改良に関与する、顧客とのコミュニケーションでブランドの信頼や愛顧を増幅する、顧客との循環関係を確立するなどが重要な焦点と考えます。

営業業績の向上には、顧客との関係を深めていくことが重要です。顧客との関係性を築く営業活動の大切な1つが「ブランド」です。

今回は、営業業績向上と商品・ブランドのロングセラーをつくる営業活動について述べてみます。

商品やブランドは企業の財産です。しかし、新商品を市場に導入し、新しいブランドを世に送り出すだけでは財産にはなりません。商品もブランドもロングセラーになって、はじめて企業の財産になります。

「ロングセラー商品」の決まった定義はありませんが、長期間(少なくとも3年間)にわたって売れ続け、特定の品種やカテゴリーの中で確実に固定客をとらえている商品です。

商品寿命が長いものは多くの場合、ブランドの育成の結果による固定層の支持の結果によって成り立っています。ロングセラーをつくるには企業努力に加えて、顧客やユーザーの支持・支援が必要です。

商品やブランドは市場で育成されてこそ、ロングセラーになり得ます。ひとたび商品が市場に送り出されたなら、それは顧客との関係をもちます。
顧客との接点をもち、関係を確立・維持する役割の営業は、商品やブランドに対して責任をもたなければなりません。

企業においてロングセラー化の役割は、商品・ブランドを生み出す商品開発部門と営業部門の双方が担います。営業は顧客の側に立って売り方を研究し、継続的に売り方を開発していくことがブランドをロングセラー化するために必要です。

さらに必要に応じて、顧客や競争商品の動向を察知し把握し、商品開発や改良に積極的に関与し、商品やブランドの延命すなわちロングセラー化を推進していくことになります。

ロングセラー化を意識した営業活動は、企業と顧客を結ぶ絆をつくりあげ、しっかりと守っていくことになります。

また、ロングセラーのブランドを扱う営業担当者は、顧客とのコミュニケーションで、次のような工夫をします。
(1)他のブランドと比較した自社ブランドの優位性を明示し、説得する
(2)ブランドの価値を損ないやすい値引きや価格競争は極力回避する
(3)ブランドが培った威信、名声、伝統、権威性を強調し、長年のブランドの信頼や愛顧を増幅させる

そして、ロングセラーをつくるための営業の努力の中心は、顧客との望ましい循環関係を確立することになります。

営業の仕事が「売って」終わりだとしたらロングセラーは生まれません。「商品を買って、使ってもらう」という簡単なことを長続きさせることがロングセラーづくりの第一歩です。
そのため営業は本当に顧客が満足しているのか、商品に対し愛顧を抱いているのかをチェックするとともに、購入の常態化にどのように関与するか検討する必要があります。

ロングセラーとして歴史に名を残すのはブランド品であり、ブランドがロングセラーのあかしとなります。
身になる営業活動は、決して1回限り「買わせる」ことではなく、「買い続けてもらう」ブランドをつくりあげることです。

御社でのロングセラーをつくる営業活動はいかがですか。
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか。

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