第81話:営業業績向上とセールスモデル

継続的な営業業績向上の営業活動の質(打率)管理は、営業活動をしくみとしてとらえ効果的なモデルを構築し、効果的に運用し、活動の質の底上げを図るとともに活動の進捗が見えるかたちで管理していくことが重要な焦点と考えます。

営業が生産性を高めていくための課題として、インプットの量(訪問件数や面談時間)とその質(やり方)があります。

インプットの量が適切な対象に、適切な量だけ投入されて、初めて目標は達成されます。そのためには、営業戦略と連動した精度の高い販売計画の立案をすることが重要です。

しかし、いくらインプットの量が適正でも質が低ければ目標を達成することは出来ません。このやり方、つまりセールスモデルを営業担当者個々の属性に依存したままでは、組織全体としての営業の生産性を高めることは出来ないといえます。

営業活動をしくみとしてとらえ、効果的なモデルを構築し、効果的に運用していくことが営業の生産性向上のカギとなります。

今回は、営業業績向上とセールスモデルについて述べてみます。

セールスモデルとは、営業活動の手順と手順ごとのコンテンツ(内容)やツールを標準化して、活動の質の底上げを図るとともに、営業活動の進捗を目に見えるかたちで管理していこうという考え方です。
目的は、高い顧客満足による市場の創造と競争優位の確立であり、目標は営業生産性の最大化です。

営業の生産性を高めるためには、営業活動のプロセスの標準化は、不可欠といえます。しかし、企業の営業部門においては、標準化がなかなか進展しないように思われます。

標準化を阻む要因があるからです。
標準化を阻む大きな要因として代表的なものをあげてみますと、次のようなものになります。

(1)「標準化は創造性を失わせる」という誤解
営業のノウハウは個人的なものであり、マニアルで画一化すると営業担当者の創造性が失われてしまうという考え方です。

ここでいう標準化は、組織として独自の売る方を決定することを意味します。い方を換えれば「組織として、営業にあたって最低限これだけのことはやる」といったガイドラインを設定することです。

標準化された営業活動プロセスのベースであるガイドラインがあれば、一定の質を確保することができます。そのうえで個々の営業担当者が創意工夫することによって、創造性を発揮したハイレベルな活動が可能となってくるのです。

(2)「個別事例に引っ張られてしまう」という誤解
商談個々の事例では、運、不運といった個別事情に目が向きがちですが(サンプル数が少ない場合)、半年、1年といった中・長期で見た場合や、営業所全体あるいは全社でみた場合、サンプル数が多ければ、効果的なセールスモデルが威力を発揮します。

もし、標準化されたセールスモデルがなければ、組織としての施策を徹底することも、市場環境の変化に合わせて営業活動を改善しようとすることもできないといえます。

また、営業活動の検証も、結果だけの追求となり、なぜ売れたのか、なぜ売れなかったのかがよくわからない非科学的な営業に陥ってしまう恐れがあります。

継続的な営業業績向上の営業課長・所長の営業活動の管理では、販売計画を実践していくにあたって、営業活動の生産性を高めていくために不可欠なセールスモデルを構築し、セールスモデルに基づく管理を実践することが重要となります。

御社の営業職場のセールスモデルの構築はいかがですか。
そのしくみづくりから運用、機能かはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき有難うございました。

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