第58話:営業業績向上とリーダーシップ

営業業績向上のリーダーシップは、営業課長・所長が強い信念の下、コミュニケーションを通して発揮することであり、信念を磨くには、常に、経営観・組織観・人間観を磨くこととリーダーとしての存在理由を問うことが重要な焦点と考えます。

前回は、リーダーシップ論について触れてみましたが、今回は、リーダーシップ発揮の中心に位置づけられる信念について述べてみます。

すでにコロナ禍になって半年がたちましたが、まだ伸びる様相を呈しており、営業課長・所長には、強い信念の下、コミュニケーションを通してリーダーシップを発揮し、自職場の目的・目標を達成することが期待されています。

信念とは、「個々人が大切にしている原理原則」ととらえられます。その人が行う様々な意思決定の根本的なよりどころであり、信念がシッカリしている人ほど、考えや行動に一貫性が生まれます。

営業課長・所長には、管理という領域において何がしかの信念を持つことが必要です。営業課長・所長の信念は、リーダーシップの中心に位置づけられる大切な要素です。

ここでは営業課長・所長が「信念を磨く」というテーマで2つのポイントを上げてみます。

(1)営業課長・所長にふさわしい「モノの見方・考え方」を持つ
ビジョンを打ち出し、その実現を推進することを役割とする立場にあれば、その役割にふさわしい「モノの見方・考え方」をしっかり持つことが求められます。
少なくとも次の3点については「営業課長・所長のひと言」を自信を持って述べられるように、自分の考え方として確立しておきたいものです。

①自社の事業経営を、どのようにとらえるか(経営観)
「自社の事業経営を、どのようにとらえるか」は、経営トップ層だけの問題と考えがであるが、全ての従業員がそれぞれの立場で考える必要があります。当然、営業課長・所長も自社の置かれた状況や目指す方向、その意義について考え続けることが必須です。

営業課長・所長は、「わが社は~のような環境下で、~という強みを持って、社会に貢献することに活路を見出そうとしている。そのとき、我が職場に対しては、~といった活動と成果が求められているのだ」というように、自分なりの経営観に基づいて自職場の目的・目標を「自分の言葉で」整理し、説明できることです。

②組織というものを、どのようにとらえるか(組織観)
営業課長・所長であれば、「組織とはどのような性質を持つものなのか」「望まし組織の状態とはどのようなものなのか」「自分がどのように行動すれば望ましい状態に近づくか」といった事柄に対して、自分なりの考え(組織観)を持つことが必要です。

そのための観点としては、組織のハード面、ソフト面というとらえ方があります。

「組織のハード面」(組織構造)・・・組織構造は、ひとことで表せば、その組織における成果を最大化するための体制づくり、「分業と調整の基本的な枠組み」です。
営業課長・所長は、自職場の目的や業務内容に応じて自分の考えで、職場組織の構造を追求し続ける必要があります。

「組織のソフト面」(組織文化)・・・組織文化とは、いつしかメンバー間で共有されるに至った伝統・風習・モノの見方や感じ方・価値観・暗黙の行動規範などの総称です。いわば、その組織の「らしさ」を形づくるものです。
営業課長・所長は、職場固有の組織文化をとらえた上で、自職場の適正な組織文化の醸成を追求することが必要です。

③人間というものを、どのようにとらえるか(人間観)
マグレガーのX理論/Y理論は、管理者の抱く人間観についての研究でした。営業課長・所長は「自分はどちらの人間観に近いところに立っているか」「自分の人間観はこの職場の管理者として妥当なものなのだろうか」を常に内省することです。

(2)営業課長・所長としての存在理由を問う
「自分は誰のために、何をすればよいのだろうか」「それをすることが、なぜ、正しいのだろうか」など「他者への貢献」を意識することから、営業課長・所長としての存在を考える思考が始まります。

営業課長・所長として職場を管理し、成果を上げていくことが、様々な関係者にとってどのような貢献になるのか。この問いの答えをこれからずっと探し続けようとする思考が、営業課長・所長としての信念を磨き、器を少しずつ大きく育ててくれるといえます。

御社の営業課長・所長の管理での持つべき信念は、いかがですか?
そのしくみづくりと運用、機能化はいかがでしょうか?

私どもの「営業課長・所長の管理、そのしくみづくりから運用・機能化まで」の管理における持つべき信念は、上述のような考え方に対応しています。

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