第54話:営業業績向上と創造性の発揮

継続的な営業業績向上には、営業課長・所長の革新と創造のマ ネジメントにあっての「革新的レベル」の創造性の発揮と任務遂行型のマネジメントでの「改善」「改良」レベルの創造性の発揮が不可欠であり、重要な焦点と考えます。

今日の世界は激動の時代といわれて久しくなりますが、その中にあって、企業の経営を取り巻く環境は、ますます変化のスピードを早めるとともに、一段と不透明さと複雑さを高めているといえます。
 今般の新型コロナウイルスの感染拡大が、ここまでになるとは誰もが予想できなかったことではないでしょうか。

このような状況の中では、たとえ今日は繁栄できたとしても、それが今後とも続く保証はなく、会社としても単位組織としても絶えざる環境への適応が求められています。

元来、企業は解決すべき問題の集合体であると言われてきましたが、今日の企業環境下では、更に一層多くの問題が、より複雑な形で絶えず発生することが考えられます。
 しかもその多くは、過去に経験したこともない、全く新しい事柄であり、過去の体験や知識だけでは、対処できない性質のものも少なくないといえます。

これらの問題に立ち向かうには、新たな創造性の取り組みが求められ、今日ほど創造性を発揮してその解決に立ち向かわなければならない時代はないといってよいのではないでしょうか。

今回は、営業業績向上と営業課長・所長の創造性の発揮について述べてみます。

創造活動は、人間が行う多くの活動の中で最も貴重な知的活動であり、それは知識・経験を加工・変換して、これまでにない新しい価値を生み出していく活動ということができます。
 また一方で、活動を通して社会に貢献し、自らの価値を見出すこともできます。
      
 創造力は気づき、知る、理解する、把握する力と合わせて、生み出す、つくり出す、付け加える、変えるといった能動的、積極的な力です。
 また、鋭い先見性、豊かな構想力やイマジネーションにより、かつてなかったもの、今まで及ばなかったこと、他に先駆けてのものをつくり出す力といわれています。

創造力は、人間の生活が組織の中にある「希望・期待」の実現や「不満や困難」をよりよい方向へ向けていくことで発揮されます。

そして、創造性とは、創造力という知識・技術を加工・変換して、これまでにない新しい価値を生み出す力と創造的パーソナリティー(困難に粘り強く耐え、創造の行為・活動を支えていく性質・性向などで、前向きな態度、姿勢、もののとらえ方)を合わせた総合的なもので、人間の持つ多様な性質や能力・行為・行動のうち特に新しいものを考えたり、つくり出したり、実現したりする性質や能力であるとされています。

創造というアウトプットは創造力という考える力、とともに、創造的パーソナリティーを合わせた創造性というトータルなものによって生み出されるもので、「改善」「開発」「創意工夫」などをいい、ノーベル賞クラスの独創的なレベルから、革新的な技術のレベル、そして、日常的な革新、改善、改良レベルがあります。

ここでいえることは、日常レベルでの創造性も立派な創造性です。
このレベルの創造性は、学問的な新奇性とか独創性とかだけが求められるのではなく、むしろある目的を実現するために、自分および関係者の持っている知識や経験を積極的に練り合わせ、それまでなかった新しい組み合わせ(知的体系)を創り出すことであり、立派な創造的営みであるということができるということです。

営業課長・所長に求められているのは、まさにこのような現場的な創造性です。

先般、個別相談会でお伺いしたあるメーカーの営業幹部の方が、「うちの営業課長は、あまりモノを考えない」といわれていました。

今日の営業課長・所長の継続的な営業業績向上の管理は、任務遂行型のマネジメントと革新と創造のマネジメントの両立が考えられますが、これらの管理活動の中で日常的な革新、改善、改良レベルの創造性の発揮は不可欠といえます。
 創造性発揮のないところに、営業業績の向上はありえないといえます。

創造性は誰でも発揮できます。創造性の発揮を促進するためには、創造活動のプロセスを知り、各段階におけるポイントについて意識した思考活動が大切です。

御社の営業課長・所長の管理での創造性の発揮はいかがですか?
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私どもの「営業課長・所長の管理、そのしくみづくりから運用・機能化まで」は、日常的な革新、改善、改良レベルの創造性の発揮に対応しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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