第52話:営業業績向上と人と仕事の関係づくり

営業業績向上は、職場の成果を最大化する態勢づくりである職場の構造づくりでの職務割り当てや目標設定時に、営業マネジャーが、部下のモチベーションに十分配慮した人と仕事の最適な関係づくりを目指すことが重要な焦点と考えます。

すでに、職場の構造づくりは、最終的には「人と仕事の最適な関係をつくることを目指す」と述べましたが、今回は「人と仕事の関係づくり」について述べてみます。

一般に「人、モノ、カネ、情報」といわれる経営資源の中で、人は唯一、意思と感情を持つ存在であり、仕事のモチベーションいかんによっては、実力以上の力を発揮することもあれば、全く実力が発揮されない場合もあります。

一見、合理的な職務割り当てや目標設定に見えても、一人ひとりの意思や感情を尊重せずに一方的な割り付けを行えば、実際の成果には全く結びつかないであろうということがいえます。

従って、営業マネジャーは職場構造づくりでの職務割り当てや目標設定時には、十分に人のモチベーションへの配慮を尽くすことが不可欠なのです。

また、人の行動様式では、その人の感情・価値観・欲求が態度に反映され、知識・スキルの発揮レベルを高め、身体を通して行動が引き起こされると考えられています。

「好きで価値観も合っていて、達成したとき欲しいモノが得られる。また、よく知っていて、うまくできるし、体の健康状態がよいときに、その人は最高の成果を上げるはずである」といえます。

従って、営業マネジャーは、まず部下の行動をよく観察し何を望んでいるか推測する。そして、それに見合った職務を割り当てたり、目標設定を促したりすることで、部下のモチベーションを引き出すことが肝要です。

さらに、営業マネジャーが部下のモチベーションが高まるように職務を割り当て、目標設定を支援するためには、職務特性とモチベ―ション関係を知っておくことが必要です。

職務特性とは、仕事のプロセスを構成する要素が持つ特徴です。
次の5つの特性が仕事への意欲に与える影響が大きいとされています。

  • ①仕事の中でのスキルの多さ・・・スキル多様性
  • ②自分の判断で手順や手続きを変えられる、創造性が発揮できる、興味が持てる・・・課業の主体性
  • ③責任が大きく周囲から注目を浴びている仕事、つぎにつながる仕事など、価値が認められている・・・課題の重要性
    (但し、この場合の価値は、本人の判断によるところが大きい)
  • ④業務の活動だけでなく、計画、結果の評価、問題解決や改善などPDCAの一貫したまとまりのある・・・職務の自律性
  • ⑤結果に対してのフィードバックがあり、どう評価されているかが分かる・・・フィードバック

これらの職務特性が満たされていると部下は「仕事の有意味感」「責任の認識」「仕事の把握感」が持て、それがモチベーションにつながるといえるのです。

特に、①②④は「並行分業」、③や⑤は「機能別分業」で部下のモチベーションにプラス働くことが示唆されています。

従って、営業マネジャーは、部下のモチベーションが高まるように、これらの職務特性が満たされる職務割り当てや目標設定をすることが大切です。

これらのことから、営業マネジャーの職場成果を最大化する態勢づくりである職場の構造づくりでは、部下のモチベーションを高めることが大切な役割であり、部下のモチベーションが高まる人と仕事の最適な関係づくりを目指すことが重要といえます。

営業マネジャーは、職場の成果最大化という役割から決して放たれることはないが、その一方で部下を自律的・自主的で尊厳を持つ個人として見る人間観を忘れてはならないのです。

以上、職場構造づくりでの人と仕事の関係づくりについて少し述べてみました。

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