第38話:営業業績向上とマーケティング

営業業績向上の営業活動は、セリング的活動だけではなく、 エリアに適応したマーケティング戦略企画を立案し、顧客満足実現のマーケティング的活動を組織で展開し、売れる環境づくりをしていくことが重要な焦点と考えます。

明けましておめでとうございます。

昨今の世界情勢は、明るい兆しと不安定要素が入り混じった混沌とした状況が続いています。営業には一段と「やるべきことの徹底」が求められています。

私どもは、今年も営業としての「やるべきことの視点」をお届けしてまいります。
 お読みいただき、営業業績向上の一助にしていただければ幸いです。

今回は、営業業績向上の営業活動とマーケティングについて述べてみます。

営業活動には、セリング的活動とマーケティング的活動があります。

セリング的活動は、どう売り込むか(売込み)の活動です。
営業担当者が顧客を説得する活動であり、営業担当者の努力が決め手になります。
営業業績は、営業担当者個々人の力によりバラツキがあり、不安定でもあります。

マーケティング的活動は、売れる仕組みづくり(理想的には、売り込まなくても売れる仕組みづくり)であり、顧客が自社の製品を選んでくれる仕組みづくりです。
エリアマネジャー及び営業担当者の分析力と企画力が決め手になります。
営業業績は、バラツキがなくなり、安定してきます。

私どもの体験では、業績低迷の営業組織は、セリング的活動というよりはマーケティング的活動に課題があります。
 今日の営業環境下あって、継続的な営業業績の向上には、マーケティング的活動の強化が重要になります。

エリアマネジャーには、エリア適応のマーケティング戦略企画とその浸透活動の手腕が問われます。

マーケティングの基礎知識でいうならば、
セリング的活動は、マーケティングコンセプトは「販売志向」であり、いかに販売するかというプロダクトアウトの考え方にもとづいた活動です。
 販売組織の強化や広告・PRなどの販売面の強化が課題となります。

一方、マーケティング的活動は、マーケティングコンセプトは「マーケティング志向」であり、市場・顧客を出発点とするマーケットインの考え方にもとづく活動です。
 顧客ニーズを明らかにして、競争業者よりも効果的かつ効率的に顧客満足を提供することを課題とし、組織の目標を達成しようとするものです。
 生産者の視点から消費者の視点への転換といえます。

マーケティングという用語は、かっては、市場に製品を売るための手段や方法を説明するさいに用いられ、対市場活動のことを意味しました。
 しかし、今日では顧客のニーズを満足させる一連の活動を総称するものとして使われることが多くなりました。

また、セリング的活動の目的は「売り上げの拡大」です。したがって、顧客に不満があっても営業活動の目的は、完遂されます。

マーケティング活動の目的は、顧客の利用効果の満足を伴うものであり、「顧客の満足実現」こそが目的となります。

今日、顧客が何かを依頼するときや購買を決意するときは、顧客は自分が満足できるかどうかを基準にしているといわれています。
 基本的には、「過去にこの会社を選んで満足できた経験がある」あるいは「この会社にお願いするのは初めてだが、ここなら満足できそうだ」と感ずるときに顧客は依頼もしくは購買に強く傾くということです。

したがって、競合との間に商品の差異がない状況では、成約を左右するのは「顧客ベネフィット」を提供できるかどうかです。

営業活動のすべての焦点は、そこにあるといえます。

今日の営業活動の強化は、セリング的活動の強化だけではなく、マーケティング的活動の強化が大変重要になります。

すなわち、継続的営業業績向上の営業活動は、エリアマネジャー及び営業担当者がエリア環境に適応したマーケティング戦略を企画立案し、顧客満足実現のマーケティング的活動を組織で力強く展開し、売れる環境づくりをしていくことが重要といえます。

御社の営業活動は、セリグ的活動とマーケティング的活動が上手くいってますか?
そのしくみづくりと有効機能化はいかがですか?

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