第25話:営業業績向上と組織のビジョン

営業業績の向上は、営業管理者自から企業家的視点をもって、組織全メンバーが「わが職場はこうありたい」と強力に思えるビジョンを設定し、その実現に必要な行動を推進することが重要な焦点と考えます。

先日、あるメーカーの経営幹部の方にお会いした際、「うちはビジョンを設定しても達成できないので、設定していないのですが、いかがでしょうか」という質問がありました。

今回は、「営業業績向上と組織のビジョン」について述べてみます。

確かにビジョンは現状を変える視点であるから、それを実現しようとするときは、様々な障害点がつきまといます。
しかし、設定したビジョンが実現できないのは、ビジョン実現マネジメントに問題があるからであって、ビジョンの設定は必要と考えます。

例えば、営業管理者の営業業績向上のポイントは、「的確な外部環境の把握」×「適切な営業施策の立案」×「活力ある組織づくり・人づくり」が考えられますが、適切な営業施策の立案にも活力ある組織づくり・人づくりにもビジョン設定は重要です。

営業組織におけるビジョンとは、管理者自身が外部環境の変化及び上位の基本方針を把握し、自組織の使命の具体化をめざして自組織が中長期的に到達すべき姿を自身の意思として描いたものです。

営業管理者が組織目標達成のための適切な営業施策の立案をするときは、会社の経営戦略に基づいて、自分たちの到達したい姿を描いて、その姿を実現するための組織目標を設定するビジョンアプローチになります。
 営業管理者は、組織目標を立てる前提に組織のビジョンをつくることです。
そうでないと組織目標が実体とズレが出てくることです。外部環境への適応は、環境対応型適応ではなく、環境創造型適応でないと上手くいかないからです。

そして、組織ビジョンに向けてその一里塚として組織目標を設定し、その組織目標達成の営業施策を立案するということです。

また、営業管理者の活力ある組織づくり・人づくりに必要な経営資源は、組織の見えざる資源である「モノの考え方」「行動の仕方」「風土」「社風」などです。
 継続的な営業業績の向上には、外部環境に適応するこれらの資源開発が求められますが、営業管理者が可能なものはビジョンアプローチと考えます。

しかし、私どもの体験では、組織ビジョンを設定し、ビジョン実現マネジメントを上手くなされている営業組織は、案外少ないのが現実です。

今日のような環境下での継続的な営業業績の向上には、トップ層だけではなく、営業管理者自から環境を把握し、企業家的視点をもって、組織メンバー全員が「我が職場はこうありたい」と強力に思えるビジョンを設定し、その実現に必要な行動を推進することが重要と考えます。

そして、管理者が自組織のビジョンを構築し、組織メンバーとそれを共有化することによって、
・いろいろな価値観もったメンバー全員のベクトルを合わせていくこと
・メンバー全員に長期的・戦略的視点を持たせていくこと
・メンバーの自律性を高め、既成の枠を打破する推進力としていくこと
などが重要と考えます。

一流営業管理者の共通することとして、自組織の未来について確固たるビジョンを持っていることです。

御社の営業管理者の組織マネジメントは、組織のビジョンの設定はいかがですか。
設定したビジョン実現マネジメントは上手くいっているでしょうか。

「営業業績向上の視点」の更新をお知らせします!

メールマガジン登録を頂きますと「営業業績向上の視点」の更新時にお知らせメールをお届けします。
最新号をお見逃しされないために是非ご登録ください。