第11話:営業業績向上と求められるマネジメント

継続的な営業業績向上のマネジメントは、機会開発マネジメント、目標達成マネジメント、仕事完遂マネジメントが全員で隙間なく行われることが重要と考えます。

かって、ある販売会社の代表者から、「会社から代表者に任命されたけれども正直何をやったらいいか分からない」という相談を受けたことがありました。
また、ある製造メーカーの営業管理者のコンサルティングでお世話になったとき、営業部長から「私は何をやったらよろしいでしょうか」という質問を受けました。各企業さんの管理者の方には、このような方が案外多いといえます。
営業担当時代に優秀な業績を上げられた方が、このような状況では、まさに資源の無駄使いといえるのではないでしょうか。

前回は、環境変化時代のマネジメントという視点でマネジメントについて述べてみましたが、今回は、環境変化時代の継続的な営業業績向上に求められるマネジメントという視点でマネジメントについて述べてみます。

今日の求められるマネジメントは、機会開発(未来実現)マネジメント、目標達成
(可能性への挑戦)マネジメント、仕事完遂(有効化)マネジメントが考えられます。

機会開発(未来実現)マネジメントは、環境変化を先取りし、事業基盤の充実、事業機会の開発を図るための事業や業務システムや資源を問い直し組み替えるマネジメントであり、中長期的な生存と発展の条件を経営組織の中に創造するマネジメントです。

目標達成(可能性への挑戦)マネジメントは、                より高い成果を上げるために資源や業務システムを開発し、現状を変革するマネジメントであり、今日の生存確保のための職場目標達成マネジメントです。

仕事完遂(有効化)マネジメントは、
決められた目標を与えられた資源を効果的に活用して達成するマネジメントであり、職場目標達成の仕事完遂マネジメントです。

そして、それぞれのマネジメントは、階層別で述べますと機会開発(未来実現)マネジメントは部長のマネジメント(事業家型マネジメント)、目標達成(可能性の挑戦)マネジメントは課長・所長のマネジメント(変革型マネジメント)、仕事完遂(有効化)マネジメントは、係長・主任のマネジメント(維持・改善のマネジメント)になります。

私どもの体験ですと、営業業績が苦戦している営業組織では、マネジメントそのものがほとんど行われておらず、部員全員が営業担当に近い状態で活動されていたり、マネジメントを計画、実施、統制ととらえて、管理者が担当者の計画、実施、統制のプロセスをマネジメントされていることをよく見かけます。

今日のような変化時代のマネジメントは、マネジメントを目標達成(可能性の挑戦)マネジメント、機会開発(未来実現)マネジメントに広げていくことが求められます。

また、営業現場でのマネジメントは、階層と連動するものではなく、比重の差はありますが営業全員がそれぞれの立場で3つのマネジメントを行うことが求められます。

そして、仕事完遂(有効化)マネジメントでは、環境変化への対応は難しいですが、営業業績向上には否定するものではありません。

3つのマネジメントがそれぞれの立場で隙間なく行われてこそ、継続的な営業業績の向上が可能といえます。そための仕組みづくりが重要になります。
 私どもの、営業課長・所長のマネジメントは、そのようなマネジメントの仕組みづくりとその運用、機能化です。

御社のマネジメントは、3つのマネジメントが全員で隙間なく行われているでしょうか? その仕組みづくりはいかがですか? つくられた仕組みはうまく機能されていますか?

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